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夏本番。旅行や帰省、海や山のレジャーなどを計画する人も多いだろう。そんないつもと違う活動のちょっとした不安に備えられる「1日保険」が増えている。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた——。

 

■数百円でスマホからでも加入できる

 

1日保険とは、24時間単位で加入できる保険のこと。保険料が数百円と手ごろなうえ、必要なときだけ加入できるので、保険料の負担を抑えられます。

 

たとえば、三井住友海上の「1DAYレジャー保険」は、レジャー全般、ハイキング・軽登山向け、ゴルフ向け、スキー・スノボ向けの4種類。いずれも保険料は、1日500円と700円の2プランです。

 

レジャー全般(500円プラン)の補償は3つ。見ていきましょう。

 

1つ目はケガの補償です。ケガによる死亡には300万円で、入院一時金は9万円。特に困る方が多い骨折には、一時金9万円が出ます。

 

2つ目は賠償補償。他人にケガをさせたり他人の物を壊したりした場合、1億円まで補償されます。

 

3つ目は、救援者費用の補償です。山で遭難して民間の救援ヘリコプターを出す費用、入院先に親族が迎えに来る費用などを、200万円まで補償してくれます。

 

補償額は多少違いますが、損保ジャパン日本興亜や東京海上日動なども1日保険を扱っています。どれも加入申し込みは、スマホやコンビニの店頭で、レジャー当日でもOK。家族やグループで一括加入するプランもあります。

 

また、LINEにも、昨年秋から59種類の「LINEほけん」が登場。レジャーを細分化して「海水浴・プール安心保険」(250円)や「キャンプ安心保険」(300円)、「野外フェス安心保険」(200円)などがあります。

 

ただし、注意してほしいのは補償の重複です。ケガの補償などは生命保険や医療保険などに、賠償の補償は火災保険や自動車保険に付いている場合があります。また、クレジットカードに無料で付帯されている保険もあります。

 

こうした加入済みの保険にある補償を知らず、重ねて1日保険に加入するともったいない。1日保険に加入する前に、自分の保険の補償内容をチェックしましょう。

 

また、1日保険には自動車保険もあります。帰省中に実家の車や、ドライブ中に友人の車などを、たとえわずかな時間でも任意保険なしで運転するのは危険です。

 

東京海上日動の「ちょいのり保険」は1日500円。車両保険を付けても1日1,500円〜です。一般の自動車保険と同様、事故の相手や相手車両には無制限の補償が付きますし、運転者のケガはもちろん、レッカー費用なども補償されます。

 

たまに帰省する子どもが1日保険を利用すれば、実家の保険料カットにもつながります。従来の家族限定割引を廃止する保険会社も増えているので、実家の自動車保険は契約者本人か、本人と配偶者に限定して保険料を節約しましょう。

 

帰省したときには、実家の保険も見直してください。ムダな補償をはずして保険料が安くなれば、老後資金に余裕が生まれますから、親御さんに喜ばれると思います。

経済ジャーナリスト

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