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消費税増税に伴い、キャッシュレス決済でもポイント還元が行われています。これがテレビなどでも取り上げられ、今、「ポイント」に注目が集まっている。ポイントは現金に換えたり、ポイントのまま投資商品を購入することもできるという。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■せっかく貯まったポイントを投資で有効利用してみては?

 

’18年度に発行されたポイントは1兆8,930億円。’19年度は2兆円に迫る勢いで、拡大しています(’19年7月・矢野経済研究所)。

 

また、20〜69歳へのアンケートによると、ポイントを「よく利用する」方は54.7%。「ときどき利用する」も加えると、95%の方が利用していて、広く浸透したサービスだといえます(’18年9月NIRA総合研究開発機構)。

 

ただ問題は、せっかくのポイントを失効させてしまう方が多いことです。毎年、約3〜5割のポイントが失効しているとされ、キャッシュレス決済でのポイント還元政策でも、政府は4割の失効率を見込んでいます。

 

そんななか、ポイントの使い方の1つとして、「ポイント投資」が増えてきました。

 

ポイント投資とは、ポイントで投資商品を購入、運用すること。セゾンの永久不滅ポイントや楽天スーパーポイントなどから始まり、今では、TポイントやPontaポイントなどの共通ポイントにもどんどん広がっています。

 

こうしたポイント投資は、2種類に分けられます。

 

1つ目は、ポイントを現金に換えて、投資信託や株などを購入し運営するものです。たとえば、楽天スーパーポイントやTポイントなどですが、ポイントを現金化した後は、通常の投資と同じ。実際の投資商品を購入するため、証券会社の口座を開設。投資商品によっては手数料もかかりますが、売却後は現金が手元に残ります。

 

2つ目は、ポイントのまま運用するものです。たとえばdポイントやPontaポイントなどで、実際の投資商品を選び、その値動きに合わせてポイントが増減。投資を終了すると、ポイントが戻ります。現金が絡まない、投資の疑似体験ですから、証券口座の開設は不要で、手数料もかかりません。

 

これらの元手はポイント、買い物などで得た“オマケ”ですから、心置きなく投資の練習ができるといわれます。確かに、運用に失敗しても失うのはポイント。ふところが痛むわけではないので、将来、本格的な投資を目指す若い方には、よい練習台になると思います。

 

ただ、投資に不慣れな年配の方などは、投資先選びなど大変なことが多いのでは。手続きが苦になる方は、無理に投資などしなくてもいいと思います。

 

ポイントの有効な使い方は、ほかにもあります。

 

たとえば、TポイントやPontaポイントなどの共通ポイントに交換して、日々の買い物に使う方法です。1つの共通ポイントに集約すると効率よく貯められますし、共通ポイントなら実店舗での買い物に使いやすいでしょう。

 

まずは、クレジットカードなどのポイント数と、執行間近なポイントがないか、ご確認ください。たかがポイントと侮らず、有効活用の方法を探してみましょう。

経済ジャーナリスト

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