6つの数字の入力で「年間いくら貯めれば老後に安心か」計算できる

「“老後2,000万円問題”以降、老後に向けて、どのくらいの貯蓄が必要なのか、不安を抱えている人が増えています。必要な貯蓄額は“年収の何割!”などと、さまざまな情報が巷にあふれていますが、実際に必要な貯蓄額は人それぞれなんです」

 

こう警鐘を鳴らすのは『人生にお金はいくら必要か』(東洋経済新報社)の共著もある、“腹黒くないファイナンシャルプランナー”岩城みずほさん。

 

「重要なのは、安心して老後生活を送るためには“今から”“いくら”貯蓄すればいいのか、家庭ごとに算出することです」

 

そこで注目したいのが、岩城さんと、経済評論家の山崎元さんが開発した穴埋め計算式。こちらに6つの数字を入力すれば、自動的に「必要貯蓄率」を計算してくれるのだ。

 

「必要貯蓄率が10%の場合、手取り年収が300万円なら、必要な貯蓄額は年間30万円。月々2万5,000円を貯蓄すればいい。あるいはボーナス月のみ10万円、残りの月が約8,300円の貯蓄でもOKです」

 

入力する、6つの数字を岩城さんに解説してもらった。

 

【1】老後生活費率

 

現役時代の年間生活費に対する、老後の生活費の割合のこと。

 

「たとえば、現在の生活費が月30万円で、教育費や65歳で払い終わる住宅ローンなどが月10万円かかっている場合、老後の生活費は20万円と予想されます。この人の老後生活率は20÷30で、67%です。家計調査の結果などから、一般的に老後の生活費は3割減といわれています。教育費などに加え、食費や交際費なども減るためです。イメージがつかない人は、まずは70%と記入して計算しましょう」

 

【2】平均手取り収入

 

“これまで”ではなく、“これから”の予想される手取りの年収。

 

「給与振込みの人は、通帳に振り込まれる数字を基に計算します。だいたい給料は55歳くらいまでは上がり続けますが、役職定年を迎えて2割減、60歳から65歳までの再雇用期間にさらに3割減など、下がっていきます。これを念頭に、リタイアまでの予想年収の平均額を入れます」

 

さらに夫婦共働きで、妻も契約社員や正社員など、今後も安定的に働き続ける場合は、そちらの予想年収を合算する。

 

「フリーランスや自営業者は不安定な部分もあるので、予想よりも1〜2割ほど低く見積もっておきましょう」

 

【3】年金額

 

夫婦の終身(死ぬまでもらえる)年金額(年額)を入れる。

 

「公的年金に加え、終身でもらえる企業年金、民間の年金型保険なども、合算します。50歳以上の方は、年に1度送付される『ねんきん定期便』に、将来予想される年金額が記載されているので、参考にしましょう」

 

【4】資産額

 

金融資産の合計金額を記入する。預貯金だけの場合は、通帳の残高を入れる。株式や国債などがあれば、時価で計算。iDeCoやつみたてNISAなど、有期で受け取る資産も満期額を計算して合算。

 

「親から遺産として受け取れそうな現金、売却予定の不動産も時価で計算して合算します。妻がパートの場合なども予想額を合わせます。年収100万円で10年働く予定なら、1,000万円をプラスしましょう」

 

また、大学の授業料のように、一括で出してしまう大きなお金は、資産額から差し引く。

 

【5】老後年数

 

リタイア後の年数。95歳まで生きることを前提にする。

 

「一般的には、65歳で再雇用を終えるので、老後年数は30年です。ただし、妻のほうが長生きなことが多いので、夫が5歳年上の場合、妻が95歳になるときの夫の年齢、100歳で計算するとより安全です」

 

【6】現役年数

 

あと何年働くのか。会社員なら65歳から現在の年数を引いた数になるだろう。

 

「自営業の場合は、現役時代を長くすることも想定しましょう」

 

以上の6つの数字で算出できた必要貯蓄率は、10%以下なら優秀、10〜20%なら健全だが油断できない。20%以上は努力が必須だ。

 

「この数字を基に貯蓄しつつ、家計の収支を改善していきましょう。定期的に計算し直すことで、改善がなされているか、確認をすることができます」

 

人によって必要な貯蓄額は違う。己れを知れば百戦あやうからずだ。

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