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今年5月、三菱UFJ銀行はコンビニATMの利用手数料を変更した。一律110円だった平日8時45分〜18時の手数料を、ローソンだけ110円に据え置き、ファミリーマートは198円に、セブン−イレブンは220円と以前の2倍に引き上げた。

 

大手銀行がコストカットのためにATMの台数を減らすなか、現金派の人にとっては、コンビニATMに頼らざるをえないことも多い。その手数料はじりじりと上がっている。金額はコンビニごとに異なり、「コンビニならどこでも同じ」時代は終わった。

 

ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは「コンビニなどのATM利用手数料は、絶対に払ってはいけない」と警鐘を鳴らす。

 

「超低金利の今、普通預金に100万円を1年間預けても、利息はわずか10円。手数料の110円を1年間の利息で得るには、1,100万円を預けなくてはならない計算になります(税金は除く)。ATMの手数料につい目をつぶってしまっている人は、その習慣をいますぐやめるべきです」(丸山さん)

 

そんなATM利用手数料には、銀行とコンビニの組み合わせで手数料が無料になるものも。たとえば、冒頭で紹介した三菱UFJ銀行は、コンビニでの手数料はさまざまだが、イオン銀行ATMは無料。また、コンビニATMを無料で使える方法もある。丸山さんにその方法を教えてもらった。

 

【1】大手銀行の会員特典を利用

 

大手銀行では、ネットバンキングの利用など条件をクリアすると、会員特典としてコンビニATM利用手数料が月に何回か無料になる。無料になる回数は給与の振り込み、口座残高、ローンの利用など取引状況に応じて決まるが、家計のメイン口座なら特典が付く可能性が高いので、ぜひ登録しよう。

 

とはいえ、会員特典は縮小の傾向にある。たとえばみずほ銀行は、以前はどのコンビニのATMでも無料で使える特典があったが、今年3月からはファミリーマートのE-netのみに限定された。

 

「こうした、条件の“改悪”は各金融機関で増えています。大手銀行は少しずつ無料回数を減らしていますから、出金は計画的に!」(丸山さん・以下同)

 

【2】ネット銀行を利用する

 

ネット銀行は総じてコンビニなどのATMを大手銀行よりも安く使えるメリットがある。給与振込み口座から1カ月分の生活費などを引き出し、ネット銀行の口座に入金しておくと、コンビニATMが使いやすくなる。

 

ネット銀行を選ぶポイントは、自宅の近所や通勤経路、買い物スポットなど、自分のよく行く場所に無料で使えるATMがあること。

 

「イオンでよく買い物する人は、イオン銀行がおすすめ。イオン銀行ATMは手数料が24時間無料ですから、買い物ついでにいつでも無料で入出金できますよ」

 

また、ネット銀行の取引特典は、大手銀行の会員特典よりハードルが低い。たとえば口座残高が10万円だと、大手銀行でコンビニATMの無料特典はつかないが、楽天銀行なら月1回は無料。住信SBIネット銀行は残高に関係なく月2回まで無料になる。

 

【3】定額自動入金サービスを使う

 

月1回の預け替えが面倒な人は、住信SBIネット銀行の「定額自動入金サービス」を利用しよう。他行にある自分の口座から、毎月決まった日に一定額を引き出し、住信SBIネット銀行の自分の口座に自動入金してくれる無料のサービスだ。

 

設定すれば銀行に行かなくてもよい。回数には注意が必要だが、近くのコンビニATMで事足りるため、コロナ予防にも。

 

「もっと明確に手数料の出費を防ぎたい場合は、コンビニで出金して現金で払うのではなく、デビットカードなどのキャッシュレス決済に切り替えてしまいましょう」

 

「女性自身」2020年7月28日・8月4日合併号 掲載

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