首相発「大手キャリア携帯料金改革」には落とし穴が
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何かと話題の携帯電話料金。総務省は10月27日、携帯電話に関する「アクション・プラン」を発表した。その大きな3つの柱と、中心的な具体策を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■値下げの実感があまりない場合も

 

大きな3つの柱と、中心的な具体策は次のとおりです。

 

【1】わかりやすく。料金プランやサービスを、だれもが理解できるようなポータルサイトを構築する。

【2】公正な競争。NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリアが、格安スマホ会社に貸し出す回線利用料を3年間で半額にする。

【3】乗り換えの促進。携帯会社の乗り換え後も同じ電話番号を使うための手数料を、現在の3,000円からネット申込みなら無料にする。また、乗り換え後も同じメールアドレスを使えるようにする。

 

国はこれらを推進し、菅首相の“悲願”でもある携帯料金の引き下げにつなげたい考えです。すると翌10月28日、ソフトバンクとauが早速、値下げを発表しました。

 

ソフトバンクは傘下のワイモバイルで、12月下旬から、通信20GBと10分以内の通話し放題がセットの「シンプル20」を、月4,480円で提供します。また、乗り換え後も同じ電話番号を使うための手数料を、’21年春以降、先のアクション・プランより対象を広げて、だれでも無料にします。

 

auも傘下のUQ mobileで、’21年2月から、通信20GBで月3,980円の「スマホプランV」の提供を始めると発表しました。

 

これらは確かに“値下げ”です。しかし、対象は月20GBを使う方。20GBは、スマホで約40時間ユーチューブを視聴できる大容量です。それほど使わない方には、値下げの恩恵はありません。

 

加えて、今回の値下げは大手キャリアではなく、傘下のサブブランドという点からも、値下げの実感は限定的といえるでしょう。

 

いますぐ携帯料金を安くするには、大手3社以外の格安スマホへの乗り換えがいちばん。MM総研の調べでは、端末料金を含む利用料は、大手3社が月6,755円に対して、格安スマホは月2,394円と圧倒的な安さです(’20年5月)。

 

ただ、格安スマホの安さは知っていても、ネットでの手続きなどがハードルで躊躇する方が多いのかもしれません。そんな方は、イオンやビックカメラの店頭で契約できるものを選ぶといいでしょう。初期設定のサポートもありますし、困ったらお店で相談できます。

 

大手キャリアと格安スマホは、たとえるなら、デパートとユニクロの関係です。以前はデパートの高級品を好む風潮がありましたが、いまは、安いユニクロで十分という方が多いでしょう。格安スマホも初めは不安ですが、一度使ってみれば、安くても使い勝手に遜色はないと納得できると思います。

 

また、ほとんどの格安スマホは違約金なしでいつでも乗り換えが可能です。問題があればすぐに別会社に乗り換えてもOK。気軽にトライしてはいかがでしょう。

 

私たち利用者が、より安い料金を選んで乗り換えを活発に行えば、大手キャリアも料金を下げざるをえません。家計のスリム化にも大きく役立ちますから、携帯料金の削減を追求していきましょう。

 

「女性自身」2020年11月24日号 掲載

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