コロナ禍で迎える、例年とは違ったお正月。毎年の初詣でを楽しみにしている人も多いが、3密状態を避けるため、三が日ではなくタイミングをずらすことも検討しよう。京都を中心に年間100件以上の神社ツアーでガイドをしている神社探究家の浜田浩太郎さんに、初詣でで神社参拝をする際に気をつけるべきことについて教えてもらった。
■初詣で大切なことは何でしょうか?
新年を迎えて、神々に旧年の感謝をし、新年の誓いを宣言するという気持ちが大切です。祈りは「意宣り」とも言われ、自分の意志を神々の前で宣言することを表します。特に、初詣と呼ばれる新年の参拝では、この意宣りが重要なのです。
■初詣でならではの作法はあるのでしょうか?
初詣では人が多くてどうしても混み合い、ゆっくり参拝できず、お賽銭を遠くから投げ入れなければならないことも生じますが、参拝の作法はふだんと同じです。ただ、新年ですから、なるべくきちんとした格好を心がけましょう。ジャージなどの部屋着や、着古した服は新年にふさわしくありません。
■神社での参拝方法を改めて教えてください。
神社の前に到着したら、鳥居の前で一礼します。本来、参拝前に手水舎で身を清めますが、コロナ禍の昨今では、多くの神社が手水舎を閉鎖しています。ですので、多くの場合そのまま参道に進むことになるでしょう。参道は神様の通り道なので、真ん中ではなく、なるべく端を歩きます。神前では、二拝・二拍手・一拝の作法でお参りします。帰りは拝殿に向き直り、一礼をしてから鳥居を出ましょう。
■おみくじは引くべきでしょうか?
おみくじは、神々からの心のメッセージとも言われます。新年最初の神々からの心のメッセージは、その年の生き方や行動へのアドバイスとも言えるため、引いてみるといいかもしれませんね。新年早々、凶や大凶のおみくじを引いても、落ち込むことはありません。「これ以上は悪くならない。今を出発点として頑張りましょう」というメッセージなので、これから運気は上がっていくものです。
■新年ならではの縁起物はどんなものがありますか?
縁起物の代表的なものは、「魔を撃ち破る」という意味を持つ破魔矢があります。魔を滅ぼし平和をつくり出す神々の霊力が宿っている武器です。お札やお守りなども含めて縁起物は、神々の新しい霊力をいただけます。授与された縁起物はご家庭に持ち帰り、神棚、床の間、玄関、リビングなどに飾りましょう。破魔矢の場合は、矢の先を天に向けない、なるべく頭上より高い位置に置くことがオススメです。
■コロナ禍だからこそ気をつけたほうがいいことは?
3密を避けたいところですが、三が日は人が集中してしまうかもしれません。タイミングをずらすなどして、人混みを避けるようにしましょう。参拝中止、入口で入場禁止などの対策をとるケースも考えられるので、事前に神社のホームページなどできちんとチェックしてください。今年は異例のお正月ですので、神社にわざわざ出向かず、氏神様のある神社の方向に向かって、頭を下げて祈る「リモート参拝」でもいいかもしれませんね。
新型コロナウイルスの感染拡大が広がるなか、初詣でも、新しい様式で向き合おう。