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「今年の経済は、世界的に見れば多少持ち直すようですが、それは昨年、著しく悪化した反動です。一昨年の『コロナ禍前』と比較すれば、国内では軒並みマイナスになってしまうでしょう」

 

こう話すのは経済評論家である加谷珪一さんだ。’21年の国内経済は全般的に落ち込みが予想され、前年比マイナスになる可能性も。「よって、積極的に『増やす』対策を立てて実行に移す必要があると考えます」と加谷さん。

 

「貯金を続けるための鉄則は、『天引き』と同様の縛りを課すことです。まずは、給料の一定割合を支給日に強制的に貯金する意識を。給与の3割が理想ですが、継続可能なラインを考えて、最低2割を貯蓄に回しましょう」

 

そのためにも「銀行口座を2つ」持つべきだと加谷さんはいう。

 

「給与の振り込みがあり次第、もう1つの口座に、給料の2〜3割を入金します。そして、その口座には絶対に手をつけないように。2つの銀行の組み合わせは『メガと地銀』でもいいと思います。ただ、地銀は『数が多すぎる』と菅首相が再編を明言しているので、地域で最も規模が大きく、生き残れそうなところを選ぶべきです」

 

また、“支出を減らす”方法として加谷さんは「細かい出費にこだわらず、大きな出費を抑える」ことを勧める。

 

「コロナ禍でマスクなどの衛生用品や日用品などの『小規模な出費』が増えていると思いますが、これは致し方ないところ。それより、たとえば毎月の収入から貯蓄に回す額を『天引き』したお金が30万円だとして、その1割=3万円以上の支出は『大きな出費』として厳しくチェックします」

 

該当しそうなものとして食費、自動車関連費、保険料、通信費、教育費があるがーー。

 

「まず食費は、あまり削ると貧相になってしまい、コロナ禍にさらに気持ちが落ち込みます。教育費もなかなか削りづらい。すると、見直しを考えるべきは『車』『保険』『通信費』あたり。この3つが『大きな出費』のボーダーラインにかかるでしょう」

 

とくに車は、ないと生活できない地域以外、税金や駐車場代とも照らし合わせて考えるべきだそう。

 

「今後、原油価格の上昇で、ガソリンの値上がりが予想されますが、たとえ原油価格が下落しても、ガソリン価格はあまり下がらないという、日本の特殊な事情も考慮すべきでしょう。また、世界的な“脱ガソリン” へのシフトから、ガソリンスタンドが減少していくということも。マイカーを持ち続けるのはデメリットという考え方もあるのです。タクシーを使ったほうが安い場合もありますし、必要に応じてカーシェアを利用するのも経済的です」

 

保険商品の購入・継続も見直す余地がありそうだ。

 

「高額療養費制度を利用すれば一定額以上の窓口負担は還元されるので、貯蓄が100万円ほどあればなんとかなるでしょう。高い掛金でいくつも民間の保険に入っている必要はないとも考えられます」

 

通信費も見直せそうな項目だ。

 

「NTTドコモやソフトバンクが新料金プランを発表しましたが、提供開始となる3月に契約満了が近い場合には、切り替えを検討してもいいかもしれません」

 

「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載

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