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「老後資金は2,000万円必要」との趣旨の報告書が金融庁から提出されるなど、お金の不安が増すばかりの人生100年時代。楽しい老後を過ごすために必要なお金はいくらなのかーー。

 

「老後に必要なお金は生活費だけではありません。毎月の生活費以外に、数年ごとや不定期に出ていくお金があります。これを老後の特別費と、私は呼んでいます」

 

そう話すのは、プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さん。三原さんが特別費としてあげるのは次の9項目だ。ひとつずつ、くわしく解説してもらおう。

 

【1】医療費

「厚労省が公表している年齢別の国民一人当たりの医療費をもとに試算すると、70歳以上が窓口で支払う金額の合計は概算で140万〜400万円になります。おおよそ夫婦で500万円程度と見積もってはいかがでしょうか」(三原さん・以下同)

 

【2】介護費

「生命保険文化センターの調査によると、介護を受ける期間は平均約4年7カ月。介護費の合計は494万円。介護代は夫婦で1,000万円用意したいところです」

 

【3】居住費

「老後30年以上暮らすことを考えると、戸建て、マンションいずれもリフォームの必要が出てきます。その平均額は戸建てで約620万円、マンションで約540万円と試算されます」

 

【4】車買い換え費

「車の買い換えも大きな出費になる可能性があります。中古車を選択したり、軽自動車にしたりすることなども考え、その費用を書いてみてください」

 

【5】家電買い換え費

「エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビなど、5万円を超える家電の買い換えは特別費。買い換えの目安はエアコン13.6年、冷蔵庫12.2年、洗濯機10.8年、テレビ9.5年とされます」

 

【6】趣味費

「趣味は内容によって費用もさまざまですが、趣味仲間との食事や旅行なども含め、これくらいに抑えるという上限額を決め、それを書き出しましょう」

 

【7】ペット費

「いまやペットも大切な家族の一員ですが、ペットにかける年間の支出は、犬で約34万円、猫で約16万円(アニコム損保調査)。とくにペットが高齢になると医療費も多くなることを念頭に算出してください」

 

【8】終活費

「これは葬儀やお墓のお金です。葬儀代の全国平均金額は経産省の調べでは’20年度は約117万円。お墓については、継承するお墓の有無などを含め、いまから費用を確認しておきましょう」

 

【9】子ども援助費

「親や祖父母などの親族の約8割が子どもの結婚費用を援助。その金額は平均200万円(ゼクシィ首都圏調査)。ほかにも孫の教育費の援助など、想定される出費の合計を算出しましょう」

 

“老後資金対策”を考える際には、見落としがちな特別費を忘れずに。

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