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電気料金・ガス料金の値上げが止まらないーー。電力大手10社と大手都市ガス4社は、’22年1月の各料金の引き上げを発表。これで5カ月連続の値上げになる。

 

ファイナンシャルプランナーで消費生活アドバイザーの丸山晴美さんがこう語る。

 

「たとえば東京電力では、’21年1月の平均モデルの電気料金が6,317円でしたが、’22年1月は7,631円に。東京ガスでも今年1月の標準家庭のガス料金は4,298円でしたが、5,124円に値上がります。合計すると、1年で月2,140円もの値上げです。原油や石炭、液化天然ガスの高騰に加え、円安傾向であることから、電気やガス、石油の値下げはしばらくなさそう。とりわけ冬は1年でもっとも光熱費が高い季節ですが、今年は暖房費による家計負担がいっそう増すでしょう」

 

今年の冬は寒気が次々と来るという予報も。“暖房費”の高騰から、どう家計を守ればいいのだろうか。

 

「暖房費を抑えるポイントは暖める範囲を狭くすることです。リビングに接している部屋の境の襖や扉はしっかり閉めて、暖かさを人がいる空間だけに集中させます。1人ずつ暖房器具を使わずに家族一緒にリビングで過ごせばエネルギーの節約にもなります。また、暖まった空気を逃がさない工夫も大切。窓は保温効果の高い厚手のカーテンで覆う。床に熱が逃げないようにホットカーペットやコタツの下に断熱シートを敷くなどの対策をすると、少ないエネルギーでも暖かく感じられます」

 

暖房の設定温度を21度から20度へと1度下げるだけでも、エアコンでひと冬約1,430円、ガスファンヒーターで約1,320円の省エネ効果があるという。

 

「寒いと思ったら1枚多く重ね着して体感温度を上げて対処するのがカギ。寒さを感じやすい足首と首を温めるのが効果的です。室内ではレッグウオーマーやスカーフなどで保温。またお尻まで隠れる大きいサイズのダウンベストは暖かいうえに、袖がないので家事がしやすくおすすめです」

 

また湿度も体感温度と関係しており、結露しない40~60%を目安に加湿器をつけたり洗濯物を室内干ししたりするのも効果的。

 

「これらの省エネ対策で、暖房費を2~3割削減することも不可能ではありません。とはいえ、とくに寒い地域ではヒートショック(寒暖差による心不全や脳卒中)の危険性があります。トイレや脱衣所にはすぐに暖かくなる電気ストーブやパネルヒーターなどを置くなど必要な対策は万全に。寒いのを我慢したり、無理をして体調を崩したら本末転倒です」

 

賢く楽しみながら暖房費を抑えて、この冬を乗り越えよう。

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