【ワナ3】「クーポン」の損失
「500円クーポンと500円引きは同じもののように感じますが、本質はまったく違います」
クーポンはただの紙切れでも“自分のもの”。使わないと自分のクーポンを失った損失感を味わう。いっぽう値引きは、使ったときにお得な喜びを感じられるものだ。
「人は得する喜びより、損する悲しみを大きく感じます。同じ500円でもクーポンを失って損する悲しみは、値引きで得する喜びの2倍以上です」
売り手はこの心理をついてクーポンを発行するが、クーポンを失ったとしても、自分のお金が減るわけでも損するわけでもない。何が損なのか、冷静に判断しよう。
【ワナ4】「安いから」という判断
特売商品を見つけると、「安いから」とつい買ってしまう。誰でも経験があるだろう。
「特売商品を買わないことは、安く買えるチャンスを逃すこと。だから『買わないと損』と思うのでしょう。でも、その商品が必要ないなら、いらないもの。買わなくても損ではありません」
値段を第一の判断基準にするのは、よい買い物とはいえない。必要性や好みなどを基準に自分で選択して、好きなものに囲まれた幸せな暮らしを手に入れよう。
【ワナ5】「ついでにこれも」思考
たとえば5万円のコートを奮発して買ったとき、5,000円の手袋をすすめられ、ついでに買ってしまう。ふだんなら「手袋に5,000円は高い」という金銭感覚を持っていても、なぜかはまってしまうワナだ。
「高価な買い物のついで買いは、損に対し鈍感になります。複数の商品を買ってお金を何回も払うより、まとめて1回で払うほうが、お金を払う=損する痛みが小さいと感じるのです」
大きなお金を払うほうが痛みが小さいとは不思議だが、こうした心理を理解して、セット販売やまとめ買いにブレーキを掛けよう。