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10月に改正育児・介護休業法が施行され、生後8週の間に最大4週の休みを2回まで取得できる「産後パパ育休」制度が導入されることに。歯止めがきかぬ少子化の対策として、育休低取得率が指摘される男性の育児環境を改善した形だ。

 

そんななか、出産後の“慣習”を巡る議論が活発化している。きっかけの一つとなったのは、今年6月5日に俳優・赤井英和(63)の妻・佳子さんがTwitter上に投稿した次のつぶやき。

 

《出来れば提案したい。子供が産まれた時のお祝いのお返しの内祝をなしにしてほしい。ほとんどの場合、赤ちゃん産んだばっかのお母さんが、色々準備してお返しする。お祝いした方はお返しいらないし、全部ママに使ってもらいたいし、ママや赤ちゃんが元気ならそれでこっちも幸せだからね》

 

赤ちゃんが誕生した折、出産祝いを贈ってくれた人への感謝の気持ちを込めた“お返し”として返礼の品を贈る「出産内祝い」。目安として、親族や目上の人にはもらったお祝いの三分の一、友人などには半返しが一般的とされている。

 

古くから続く慣習である「出産内祝い」の撤廃を求めた佳子さんの投稿は反響を呼び、14.5万を超えるいいね(10月25日時点)がついており、「よく言った!」「変な風習」と共感する声が広がっている。

 

そこでWEB女性自身とYahoo!ニュースは、男女2000人を対象に、「出産内祝い」に関する共同アンケートを2022年9月に実施した。

 

まず、「あなたは“出産の内祝い”は必要だと思いますか?」という質問に対しては、「はい」が56.4%、「いいえ」が43.6%と、わずかに賛成派が上回る結果に。

 

「はい」と答えた人の中には「お祝いの気持ち」のほかに、

 

《慣例ならやっておいたほうが無難だから》(40代男性・会社員)
《今後の付き合い遠円滑にするためにも必要》(50代男性・会社員)
《もらった時は「お祝いしてくれてありがとう」という気持ちをこめてお返しする方がその後の人間関係も良い方に成り立つと思うから》(40代女性・専業主婦)

 

というように、慣習を守ることによる、人間関係の構築を重視する意見も少なくなかった。さらに、「子供の名前のお披露目のため」に実施すべきという声も。

 

《お祝いをしてくださった方への感謝の気持ちと子供の名前のお披露目もかねて必要だと思う》(50代女性・会社員)
《子供の名前を知ってもらえるのでしたほうが良いと思います》(50代女性・該当なし)

 

対して、「いいえ」と答えた人からは、

 

《お返しを期待して出産祝いをプレゼントしたわけではないから。出産したばかりでてんやわやなのに内祝の手配までやったら大変そうだから》(50代女性・アルバイト)
《内祝いは出産したママが用意するから、産後のママには負担が大きすぎるため》(20代女性・会社員)

 

と、赤井さんの呟きのように、出産したばかりの母親への負担を気遣う声が多く寄せられた。

 

また、《お祝い金は、全て赤ちゃんのために使って欲しいと思うからです》(50代女性・専業主婦)、《こちらはお祝いとして勝手に送ってるんだし、それに対してお返しして貰いたいとか微塵も思わない。意味がわからない伝統》(40代会社員・男性)と、そもそも見返りを求めて出産祝いを送っていない、という人も少なくなかった。

 

拮抗した内祝いへの賛否だが、「出産内祝いを送ったことがあるか?」という質問に対しては63.6%が「はい」と回答する結果に。

 

送った品物としては「お菓子やコーヒーの詰め合わせ」といった食料品、「子供服」や「タオル」などの衣料品が多く、「現金」と答える人も少なくなかった。また三分の一から半返しが言われている品物の相当金額については、3000円から1万円が多かったが、中には10万円と答えた人も。

 

反対派も多い出産内祝いだが、実際に贈ったことのある人に困ったことや嫌な思いをした経験を聞いてみると、「そんな経験はない」という人が意外にも多かった。いっぽうでこんな声も。

 

《慣れない子育てで大変な時に、内祝いを買って何軒分も郵送するのが、辛かった》(50代女性・専業主婦)
《とにかく疲労と睡眠不足の慣れない育児なのにお祝いの金額を調べたりが大変だった》(30代女性・専業主婦)

 

上記のように子育中の準備が大変だったという声がある一方で、《他の人と金額など歩調をあわせるのにも気を使った》(40代女性・専業主婦)、《何をどの金額の物で、どの間柄の人に送って良いかわからなかったから》(30代女性・該当なし)と、どのくらいの金額が妥当なのか悩んだという声も寄せられていた。

 

反対に、アンケートで「内祝いを贈らなかった」と答えた人に理由を聞いてみると、「経済的負担」や「不必要な慣習」といった意見のほかに、こうした声が寄せられた。

 

《自分自身に余裕がなく、あげなくても良い雰囲気だった》(40代男性・会社員)
《送れば自分の時も送られることになり相手に負担がかかるから》(50代女性・専業主婦)

 

中には、《お互いに送らないようにしましょうと約束しました。オムツなど消耗品をプレゼントする程度で、お返しが必要そうな物は送っていません》(20代女性・会社員)とお互いに贈らない協定を交わした人もいた。

 

賛否がわかれた「出産内祝い」。どちらが正解ということはないが、コミュニケーションをとることが“ズレ”をうまない秘訣なのかもしれない――。

出典元:

WEB女性自身

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