画像を見る

岸田文雄首相は12月10日の記者会見で、2023年度より出産時の保険給付として、出産育児一時金を子どもひとりにつき42万円から50万円に引き上げると発表。子育て世帯の負担を軽減して、少子化対策を強化する狙いだ。

 

出産育児一時金制度とは、出産に関する費用負担の軽減のために、公的医療保険(健康保険、共済など)から出産時に一定の金額が支給される制度。現在、1児につき42万円が支給されているが、出産費用(正常分娩(ぶんべん))自体が自由診療で年々上昇しており、全国平均が約47万3000円と一時金を上回っているため、増額の検討が続けられてきた。

 

平成6年に一時金の制度が創設されて以来の最大の引き上げ幅となる。だが、大幅に8万円も増額されるなか、もっぱらSNSでは厳しい意見が乱立する。

 

《8万円増額するなら、病院から請求される出産費用も8万円上がるだけなのでは?》
《出産一時金の増額の50万、プラスかと思ったら総額かーーい!ショボ過ぎる…これで少子化対策になると本気で思ってるなら頭お花畑過ぎるな》

 

国勢調査の「子供の数および割合の推移」のグラフを見ても、1959年には15歳未満の子どもの割合は人口の35.4%だったところ、2022年4月1日現在は、子どもの割合は11.7%にまで落ち込んでいる。それほどまでに少なくなった子どもの数なのに、最近10月に打ち出されたのは0-2歳児限定の、現金ではなく「子育てクーポン」での支援だったり、国民の1割しかいない子どもへの児童手当にすら所得制限を設け、全員に行き渡らなかったり、どうにも政府が本当の“子育て支援”に乗り出しているようには到底見えないのだ。

 

《出産育児金が増えてもね、違うのよ、そこじゃないのよ。産んでからなのよ、お金かかるのは》
《出産育児金が50万になっても…ありがたいだろうけど、なんか違くて。 仕事復帰のタイミングでスムーズに保育園に入れるとか、小学生高学年まで時短義務化にするとか、子ども体調不良時のサポート体制をしっかりさせるとか、そういう部分、充実させてくれないですか…》

 

岸田政権は、子育てなど重視の「子どもまんなか社会」の実現を政策目標に掲げると表明した。23年4月にはこども家庭庁も発足する。そこまでこどもを重視し、社会で育てると舵を切ったはずなのに、実際の子育て世代の声が届いているようには思えない施策が続くばかり。「出産費用をまかなえば出産する人が増える」といった単純な問題ではない。産んで終わりではないのだ。妊娠、出産、子育て、教育……。一時的な目先のお金だけではなく、子どもが成人するまでの継続的なサポートが切に望まれる。

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: