ひとり暮らし高齢女性の4割超が貧困に…夫と死別後、生活保護になる事例も
画像を見る 独居女性は老後の貧困リスクが高い(写真:Luce/PIXTA)

 

■物価上昇で増加する貧困“独り暮らし女性”

 

今後、独り暮らし女性の生活苦は改善するどころか、ますますひどくなっていく公算が大きい。

 

「もともと、物価や賃金が上昇すれば、年金額も同じように上昇していたのですが、マクロ経済スライドという制度が導入され、年金受給額の上昇は抑制されています。物価が上がれば上がるほど、年金の価値は目減りしていくのです」(経済部記者)

 

ますます貧困リスクが高まるなか、もっとも重要なのは働くことだと、寺門さんは力説する。

 

「令和時代に老後生活を支えるのは、WPP(Wは就労延長、2つのPは私的年金と公的年金)の3本柱。まずは働き、離婚や死別しても自立できるようにすることが重要です。現在、厚生年金の適用拡大により、パート主婦でも厚生年金に加入できるチャンスが増えています。年金保険料を納める分、手取りは少なくなりますが、将来の年金を上乗せできます。そして働いて得たお金の一部をNISAやiDeCoに回し、将来に備えることもできます」

 

年金の繰下げ受給をして年金額を増やすことも要検討だ。

 

「夫より長生きする可能性の高い妻は、70歳まで繰り下げて、年金額を42%増やすことも、死別対策になります」(前出・寺門さん)

 

おひとりさま貧困に陥らないように、今からできる準備を怠らないことだ。

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