■充電中にも出火の危険が就寝時は枕元に置かない
さらに気をつけたいのが充電中。
「実は充電中の事故が最も多く、携帯用扇風機の充電中に電池部分から火を噴き出し、周りのものを燃やしてしまったという報告があります。
とくに就寝時は、異変に気付きにくいので、枕元で充電しっぱなしにするのは避け、体から離れた、周囲に燃えやすいものがない場所で充電をしてください」(岡田さん、以下同)
また、リチウムイオン電池は高温に弱いため、暑い日に車の中に置きっぱなしにするのも危険だ。
「ダッシュボードは80度もの高温になります。直射日光の下など、熱い場所に置きっぱなしにするのも避けてください」
リチウムイオン電池が内蔵されている製品は、携帯電話やポータブル型の家電を充電する充電器などほかにもさまざまある。ふだんから日常的に使用している身近なものだけに、そんなところに爆発の危険性があるとは思いもしない人が多いのではないだろうか。
携帯用扇風機事故報告は、2019年度から入ってきていて、2022年度まで、累計で45件の事故報告がある。
「事故の報告は年々減ってきてはいますが、暑い季節になると使用する機会が増えるため、今年も注意を呼び掛けています」
酷暑が予想されるこの夏は、とくに気をつけてほしい。安全のためにも、3つの予防策をとりつつ、落とした場合は2~3日ほど使用を中止して様子を見るように。
「ほかにも、充電ができなくなる、ファンが回らない、電池部分が熱い、膨らんで形状が変形しているなど、なんらかの異常を見つけたら、使用を中止してください」
廃棄時も注意が必要だ。一般ごみには入れず、必ず地元の自治体の指示に従って分別しよう。一般ごみに入っていたためにごみ収集車やごみ処理場で火災が起こった事例もある。
購入時は安心して使うためにも、連絡がとれるメーカーの製品を選ぼう。
「安全に配慮した製品を開発しているメーカーであれば、万が一、不具合が出た場合の連絡先が明記されているはずです」
涼は安全にとりたいものだ。