「早く登記簿を見ておけば…」作家・高殿円さん 実家じまいで嵌った“まさかの落とし穴”
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■順調だと思った矢先、衝撃の事実…“再建築不可物件”

 

「京都市が『非居住住宅利活用促進税』で空き家に税金をかけると発表したとき、これは全国に広がるなと。税金をこれ以上払いたくない! という思いもありました」

 

空き家を維持するにあたっては、費用面の負担も大きい。2023年の「空き家対策特別措置法」改正により、固定資産税がやがて6倍になる可能性もでてきている。

 

まず高殿さんが始めたのは、不動産仲介業者への相談だ。

 

「すぐに、『近隣の相場と、値引き交渉も考え500万円で売りに出しては?』と提案を受けました」

 

売りに出すと、すぐに若い夫婦から問い合わせが。更地にして家を建てたいとのことで、すんなり買い手が決まった。

 

「値引きの400万円で申し込みがあり、父も伯父も納得し、契約完了報告を待つだけになりました」

 

だが、誰もが安心した矢先。突然不動産業者から、「取引ができなくなった」と電話がーー。

 

「そこからが地獄の始まりでした。不動産屋さんから、土地の登記簿謄本を見せられて。なんと、実家のすぐ前の道路が、隣家の私有地になっていたことが判明します」

 

驚くことに、家は1mmも公道に接していなかった。建築基準法で「接道義務を果たしていない」とみなされるため、更地にして新たな建物を建てることができない「再建築不可物件」に該当してしまったのだ。

 

「詰んだと思いました。実家がどういう状態にあるのかは登記簿を見ればわかりますが……。普通、見ないですよね。実家の登記簿は1日でも早く見ておいたほうがいいのだと学びました」

 

こうして、400万円の契約話は立ち消えに。伯父は寝込み、父も心が折れてさじを投げた。

 

【後編】富豪がクレカで即決!作家・高殿円さんが売れない「ゴミ屋敷実家」を手放した“意外な方法”へ続く

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