千葉県豪雨災害では多くの車が水没したため、レッカー移動待ちが発生。この混乱に乗じて悪徳ロードサービス業者による被害が発生している。
千葉県消費者センターの担当者が語る。
「車が水没し、レッカー移動を頼もうとネットで探した業者に連絡すると、料金は3~8万円で、キャンセル料10万円と説明されたようです。しかし現地に来ると40万円を請求され、断るとキャンセル料が27万円かかるといわれて、カードで支払ってしまったという相談がありました。ほかにもネットで探した業者に現地に来てもらったところ、ボンネットを開けただけで何もしないのに10万円を請求され、5万円だけ支払い、残金の請求が来ているという相談がありました」
このように不正・不当な請求などにあうドライバーが後をたたないと、日本損害保険協会の三村雅彦さんが語る。
「自動車保険の契約者も被害に遭われていることから、損害保険業界でも問題視され、周知しているところです。とくに9月19日からシルバーウィークが始まり、車でお出かけになる人も多くなることが想定されるので警戒が必要です」
全国の消費生活センターに寄せられたロードサービス業者に関する相談件数は、2023年度には925件だったものの、2024年度には1150件、2025年度には2166件と倍増。今年度はすでに8月末現在で1097件に達し、前年度同時期の486件を大きく上回っている。そして今年8月だけでも、全国の消費生活センターには以下のような事例が、多数寄せられているのだ。
事例1〈タイヤ交換の際、値段を聞くと「6万円くらい」と答えていたが、作業終了後には 15万円 を請求された。現金しか使えないと言われ支払ったが、納得がいかない。(60代男性)〉
事例2〈車が路上でエンストして、スマホで会員制のロードサービスを検索。検索画面の上にあった業者に連絡をして「会員証の提示は必要か」と聞いたところ、会員制業者とは別会社であることが判明。レッカー移動の料金を聞くと「10kmで5万円」と言われた。高いため「依頼しない」と伝えたところ、「キャンセル料4万円」を請求された。(60代女性)〉
事例3〈交通事故に遭い、レッカー移動が必要になった。契約している損害保険をネット検索して出てきた番号に電話。やりとりのなかで「保険で無料になる」と言われたので、依頼した。ところが受け取った契約書面には 15万円 の請求金額が記載されていた。保険会社に確認したところ、その業者は提携業者ではなく、保険金が支払われる場合にも該当しないために保険は適用されず、全額自己負担になると言われた。(50代女性)〉
事例4〈豪雨で車が動かなくなり、保険会社に電話したところ「手配に時間がかかる」と言われた。それで自分でインターネット検索し「レッカー2000円?」という業者に依頼。レッカー移動してもらったが 15万円 を請求され、クレジットカードで支払った。保険会社に確認したところ、一部(5万円程度)しか保険がおりないといわれた。(50代男性)〉
事例5〈外出先で車が動かなくなり、スマホで検索して一番上に出てきた業者を呼び、移動とバッテリー交換を 6万円 を頼んだ。移動先で車を受け取り帰宅後、エンジンを切ると、再度かからなくなった。近所の整備工場に相談すると、バッテリー交換がされていないことがわかった。(40代男性)〉
「旅先の故障や事故が起きるとパニックになり、あわててスマホで検索して上位に来る業者に連絡を取ってしまうケースが多いです。しかし悪徳業者の多くは、リスティング広告といって、広告費を出すことで検索画面の上位に自社の広告が表示されるように手を打っているので、注意が必要です」(前出・三村さん)
なかには「保険会社と提携していると虚偽の説明がなされた」と、損保会社に相談が寄せられているケースもあるという。
こうした悪徳業者で特徴的なのが「業界最安値で迅速対応」「基本料金2000円~」などの謳い文句だ。消費者から複数の相談を受けている西宮みらい法律事務所の白木健介弁護士も、以下のように注意喚起する。
「非常に低額であるかのような認識を持たせますが、『~』というのがポイントで、実際に現地に来て、レッカー車に積載するときなどに不必要な追加作業を積み重ねてきます。ときには50万円、80万円と法外な請求がありますが、断ろうにも、すでに車はレッカー車に乗せられ“物質(ものじち)”になっています。現金がなければレッカー車でコンビニに連れて行かれて、ATMでお金を引き出させるというのは、典型的な手口です。日頃から家庭内で話し合って有事に慌てないようにすることが肝要ですね」
また、最近ではカード決済の端末機を持っている悪徳業者も増えてきたため、より一層の注意が必要だ。
以上のような被害に遭わないため、三村さんがアドバイスする。
「自動車保険の多くはロードサービスが付帯され、事故でも故障でも対応できます。トラブルが発生した場合は、業者をスマホで検索せず、まずは契約している保険会社や代理店に相談しましょう」
慌ててスマホで検索すると、悪徳業者につながる可能性があるのだ。
画像ページ >【写真あり】こんな事態になったら、手痛い出費になる可能性が(他1枚)
