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(写真・神奈川新聞)

 

小田原産レモンの果汁を使用した、地域限定の酎ハイが誕生した。当地や製法にこだわった酎ハイを展開する大手酒造会社が、農薬を極力使わずに栽培する小田原市の名産に着目。20日から神奈川、静岡、山梨の3県で販売する。生産者や市の関係者は「小田原産レモンの魅力が広く知られ、消費が拡大し、耕作放棄地の減少などにつながれば」と期待している。

 

宝酒造(京都市)が発売するのは、「『寶(たから)CRAFT』<小田原レモン>」。小田原産レモンの果汁を透明化処理や濃縮還元せず、果汁分2%とふんだんに使用。穏やかな酸味と優しい甘さ、コクのある味わいが楽しめるという。

 

「個性的なつくりや味わい」や「ご当地」などを切り口としたクラフトへのニーズが高まる中、同社は酎ハイの新ブランド「寶CRAFT」を展開。神奈川産の果実を使った商品を検討している中、小田原産レモンの存在を知ったという。

 

小田原市内では主に、市西部の片浦・早川地区でレモンが栽培されている。1977年に防カビ剤を使った外国産レモンの輸入が解禁され、安全な国産を求める消費者団体の要望に応える形で、片浦地区の農家でつくる「片浦レモン研究会」が生産を始めた。

 

現在、約60人が農薬の使用回数を減らした管理方法を続け、年間約30トンを集荷。丸かじりでき、相模湾から降り注ぐ太陽の光を浴びた果実の糖度も高いという。

 

今回の酎ハイでは、高齢化で耕作放棄地が増える同地区の農家の支援に取り組む「小田原柑橘(かんきつ)倶楽部」がレモンを購入。自前の加工所で搾汁し、果汁約2トンを宝酒造に販売した。

 

9日に小田原市役所で開かれた会見で、宝酒造西関東支社の副支社長は「酸味がまろやかな小田原産レモンの特徴を生かした味わいにしたいと、こだわった商品」とPR。「香りも良く、売れる」と喜ぶ研究会は「栽培をさらに広め、耕作放棄地を食い止めたい」と意気込んだ。小田原柑橘倶楽部も「小田原産レモンの魅力を広く発信できたら」と期待した。

 

小田原産レモンの酎ハイは330ミリリットルで250円。3県のスーパーやコンビニなどで販売する。問い合わせは宝ホールディングスお客様相談室電話075(241)5111。