首里城再建を願い、メッセージを寄せた県出身の女優の国仲涼子=8日、東京都渋谷区のライジングプロダクション(喜瀬守昭撮影) 画像を見る

 

首里城焼失から1年。沖縄県那覇市出身で女優の国仲涼子さんがメッセージを寄せた。

 

火災から4カ月。お仕事で首里城を訪れ、焼け跡を目の前にした時は言葉が出ませんでした。そこに城郭があったことが夢のようで、改めて喪失感を感じました。

 

小学校時代、首里城は私の遊び場でした。実家は繁多川にあり、長田の小学校に通っていたのですが、学校が終わるといつもバスに乗って龍潭池に出掛けました。池のほとりでお菓子をつまみゆんたくしながら見た首里城が私の原風景です。その後、私は芸能界に入り20歳で沖縄を離れて上京しました。

 

“再会”は20歳の時。

 

NHK朝ドラ「ちゅらさん」の撮影でロケ地となった「古波蔵家」は、首里城のすぐ近くにありました。

 

目の前の仕事に無我夢中で懐かしさに浸る余裕もありませんでしたが、初めて城郭をじっくりと観て、建築物としての素晴らしさに驚かされたことは覚えています。龍柱の繊細な造形、正殿を覆う独特の鮮やかな朱色。あの美しい姿が失われたのは悲しいですが、逆境から何度も立ち直ってきたのが沖縄の人たちです。

 

かつての私のように、思い出が作られる場所として首里城がよみがえる日がきっと来る。今思い浮かべるのは、新しい首里城を目の前にした県民一人一人の笑顔です。

 

●インタビュー詳報はこちらから/写真4枚、全文1202字

 

くになか・りょうこ 1979年6月9日、那覇市出身。県内の高校を卒業後に上京し、98年4月にタレントデビュー。2001年放送のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」でヒロイン・古波蔵恵里役を演じ、エランドール賞・新人賞を受賞した。

【関連画像】

関連カテゴリー: