羽生結弦 元トレーナー語る“コロナ禍で体幹強化”励む理由
(写真:アフロ)

「羽生選手は8月末にコロナ禍を理由にGPシリーズ欠場を発表。今シーズンは初戦をどの試合にするかを明言していません。新型コロナウイルスの感染状況次第では、シーズン全試合欠場の可能性もあると噂されています」(スポーツ紙記者)

 

まもなく始まるフィギュアスケートシーズン。出場試合のめどが立たぬ羽生結弦(25)だが、本誌は9月上旬、彼の姿をキャッチした。

 

場所は地元・仙台のアイスリンク。深夜0時ちょうどに両親らとともにリンクに入っていき、深夜1時には練習を終えて帰っていく――。そんな姿を2日連続で目撃したのだ。

 

本誌目撃の両日ともにリンクに滞在したのは1時間ほどで、これは短く思えるが……。

 

「1時間では氷になじむくらいしかできないのでは」と話すスケート関係者がいる一方で、別の関係者は、「羽生選手はもともと練習時間が短いことで知られている」と話す。

 

「日本の多くの選手は日に4時間前後は氷上練習をしていますが、羽生選手は1日2時間程度、1週間で10時間ほどです。彼は幼いころからぜんそくがあり、ケガも多かった。病気やケガを避けるためもあり、短い時間での練習を心がけてきたようです」(別のスケート関係者)

 

氷上での練習時間が短いぶん、羽生は氷上以外でのトレーニングも重要視してきた。特に外出がはばかられるコロナ禍では、自宅トレーニングに力を入れていたようだ。ある取材で、羽生は次のようにコメントしている。

 

《最近は体幹を鍛えることを頑張っています。プランクであったり、腹筋背筋の運動を心がけて自宅でやっています》

 

プランクとは、うつぶせになって前腕と肘、つま先を地面につき、体を浮かせるエクササイズのこと。このプランクのやり方を羽生に教えたという、元専属トレーナーの菊地晃さんに話を聞いた。

 

「特にフィギュアの場合、体幹がしっかりしているかどうかは、演技の出来を大きく左右するのです」

 

羽生の場合、日本人離れして手足が長い。見栄えはいいが、体の中心軸がブレやすく弱点にもなりうる。中心軸のブレは、ジャンプやスピンでも傾きが生じたり回転が遅くなってしまうのだという。

 

「結弦は、体幹を鍛えたことでケガが減り、成績が伸びるという経験をしています。これまでケガなどでスケートがしたくてもできなかったことは何度もありますが、彼は気持ちの切り替えがとてもうまい。一度は落ち込んでも、すぐに立ち直り、ケガへ影響のない範囲で上半身を鍛えるなど、今やるべきことを淡々とこなしていく。このコロナ禍こそ体幹を鍛える時期だと考え、トレーニングをこなしているでしょう」(菊地さん)

 

羽生が近年最大の目標としているのが、4回転アクセルの完成。その挑戦について、“技術はすでにあるが、身体能力を高める必要がある”と、コーチのオーサー氏もあるインタビューで語っている。

 

体幹を鍛え、夢の4回転アクセルを成功に導く。さらにその先を見据えている可能性は高い、とは前出のフィギュア関係者。

 

「思うように試合に出られないとなれば、今シーズンは羽生選手にとって不完全燃焼のシーズンになりそうです。そうなれば、次のシーズンに予定されている北京五輪への出場を狙う可能性は、ますます高まってきた。出るからには、4回転アクセルをひっさげて、当然、金メダルを狙うでしょう。彼は負けず嫌いですからね」

 

4年前のインタビューで羽生本人もこんなふうに語っている。

 

《オリンピックと世界選手権で優勝した次の年は何も得られなかったけど、悔しかった次の年は、僕、成長できるんですよ。そう思うと、来年が楽しみ(笑)》(「クーリエ・ジャポン」WEBより)

 

4回転アクセルの次は、“王者復活”の五輪3連覇を――。家族の献身的なサポートを受けながらの深夜0時の極秘特訓で羽生は次なる武器を磨いていた――。

 

「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載

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