最近コンビニや100円ショップでもよく見かけるようになった「セスキ炭酸ソーダ」。これって何?ブームになっているの?そう思っている人も少なくないはず。実はエコ掃除の味方として、一時は市場で完売になったほど売れているのだ。
「セスキ炭酸ソーダブームが起きたのは’13年末。最近ではお掃除達人の家事えもんがテレビ、書籍などでセスキ炭酸ソーダや重曹、クエン酸を使ったナチュラルクリーンを紹介し、あらためてブームになっています」(ロフト クリーン用品担当バイヤー)
今年も年末に大掃除シーズンに向けて注目されること間違いなしの「セスキ炭酸ソーダ」。いったいどういうものなのか。All About「家事・掃除・子育て」ガイドの藤原千秋さんに解説してもらった。
「セスキ炭酸ソーダは、化学名では“セスキ炭酸ナトリウム”といい、重曹(化学名:炭酸水素ナトリウム)と炭酸ナトリウムの中間に位置する弱アルカリ性の粉末です。重曹を掃除に使うことは、昔からおばあちゃんの知恵としてありましたが、セスキ炭酸ソーダは、’90年代末にアメリカからアルカリ剤を掃除に使うブームと一緒にきたのが始まりです」
それまでは、身近なところではどこに使われていたかといえば、入浴剤の“シュワシュワ”成分、あれがまさにセスキ炭酸ソーダなのだ。同じ弱アルカリ性ということだが、重曹とのいちばんの違いは、pH値にあるという。
「pH値で比較すると、セスキ炭酸ソーダは9.8、重曹は8.2。セスキ炭酸ソーダのアルカリ度は重曹の約10倍になります。つまり、アルカリ度が強い分、重曹よりも少ない量でより強力に汚れを落とすことができます。また、セスキ炭酸ソーダを使って掃除をすると、界面活性剤が入った洗剤のようには泡立たないので、すすぎが少なくてすみます。最近のセスキ炭酸ソーダブームは、こういったエコ掃除の流れの上にあるのでは?価格も安いので、節約になりますね」(藤原さん)
また、化学物質過敏症の人の中には、セスキ炭酸ソーダや重曹、クエン酸など、添加物が入っていないものしか使えない人もいるという。それくらい余計なものが入る余地のない、シンプルな構造のアルカリ剤がセスキ炭酸ソーダなのだ。今年の年末のお掃除で、利用してみてはいかが?