「ヒールよりぺたんこ靴のほうが足にいいといわれているけれど、逆です!足の裏は、その人の全体重を支えている場所。靴を履くことで、体重がつま先とかかとに分散されます。その比率を5対5にしてくれるのが3〜4センチのヒールなんです。体重が均等にかかれば足は痛くなりません。男性の靴にも低いヒールがあるのはこのためです。ただ、足の形は人それぞれ。土踏まずが高い人は5〜7センチのヒールがベストです」
そう話すのは、『その靴、痛くないですか?〜あなたにぴったりな靴の見つけ方〜』(飛鳥新社)の著者で、靴のコンサルタントの西村泰紀さん。靴は売らない靴屋「シューフィット・神戸屋」の店主として、3,500人以上の足の悩みを解決してきたという。そんな西村さんに、靴選びの「間違った常識」を教えてもらった。
【間違い1】ヒールは低いほうが歩きやすい
つま先とかかとにかかる体重の割合が、5対5になる靴がもっとも歩きやすい。そのためには3〜4センチ、土踏まずが高い人で5〜7センチのヒールがベスト。
【間違い2】少し余裕がある靴のほうが痛くならない
ゆるいと靴の中で足が前すべりし、靴ずれなどのトラブルの原因に。
【間違い3】スニーカーとパンプスは同じサイズでOK
スニーカーは世界基準の「木型サイズ」、パンプスやフラットシューズは日本独自の「足入れサイズ」で表記しているため大きさが異なる。スニーカーはヒール靴のサイズ+1センチのものを買おう。
【間違い4】靴は足がむくむ夕方以降に買うべき
朝に買った靴は、夕方に足がむくむと入らなくなるといわれてきたが、ゆるい靴はあらゆるトラブルのもと。むくむ時間帯は人によって違うので、自分の足がむくんでいないときにぴったり合うものを買おう。
【間違い5】インソールは足全体のもので調節
大きめの靴を調整するとき、足裏全体にインソールを入れるのはトラブルの元。土踏まずの位置は人によって違う。足先や土踏ますに部分的に入れて調節を。
西村さんは、ベストな靴のフィッティング感について次のように語る。
「そもそも靴ずれは皮膚と靴との摩擦によって起こるやけど。靴がゆるいのが原因です。さらに前すべりして足が疲れます。靴の中で足がまったく動かないくらいがぴったりサイズの靴なら、トラブルは起こらないんです」
’17年を“ぴったり靴”デビュー元年にしよう!