「LINEは便利なツールですが、使い方を誤ると、ママ同士でとんでもない”リアル事件”に発展することもあるんです」
こう話すのはメディア学者の渡辺真由子さん。いま主婦にとっても、連絡手段としてマストアイテムになりつつあるLINE。しかし、電話やメールとも違うさまざまな機能にトラブルもつきまとう……。そこで、渡辺さんが「トラブルを防ぐLINE使用のお作法」を教えてくれた。
■すぐに返信できないときは「未読」のままに
LINEでメッセージが届いたとき、内容を確認したにもかかわらず返信しないと、相手には「読んだのに無反応」という印象となる。これがいわゆる「既読スルー」(「既読無視」とも)。悪意がなくても、好まれない場合が多いというのが既読スルー。トラブルが実生活に及んでしまった場合の対処法を、渡辺さんが解説する。
「とにかく、返信できなかったときの状況がどうだったかを伝えることが大事です。そのうえで、正直に謝ることですね。『本当にバタバタしていて……』とか『悪気はなかったんです』とか」(渡辺さん・以下同)
そして、もちろん「未然に防ぐ」ことが最重要!
「『既読スルー」は、人によって受け取り方が違います。相手の特性をよく知り、不快感をおぼえそうな人の場合はすぐに返信。それができないときは、『未読」のままにしておくのがいいですね。もしも遅れて返信するときは、『子どもの面倒に手がかかって」とか一言添えるべきです」
■会話の終わりには「スタンプ」が便利
返信を断りにくい相手とやりとりしていると、送受信が延々と続いて家事や仕事が手につかないなんてことも……。なかには夜中になろうとも送ってくる人もいる。
「断ち切るのは難しいですけどね……最終的には、勇気をもって”締めの言葉”を自分から送ることです。『明日もよろしくお願いします!』とか、『おやすみ』とか。それも送りにくいときは、スタンプだけ最後に送る。スタンプは、もう会話を切り上げますよ、という奥の手に使えます。ちなみに、スタンプを送っていい相手は、基本的にはプライベートなお付き合いの人です。学校や習い事の先生などは、相手の文面の癖をみて合わせるべきですね」
■大事な用件こそ電話よりLINE
「電話は相手の時間を奪ってしまいます。大事な話ほど、メール送信したほうが記録に残るので『言った、言わない』にならなくて、確実なんです。ですから、電話はよほどの緊急時のみがいいですね。でも、どうしても電話で話したいときは、『いつだったら、電話できますか』と聞いておくべきですね。LINEはそれも『既読・未読」がわかりますので、便利ですね」
また、お互いに不必要な通話料もかからない、というメリットもある。
■「誤送信」は背景色変更で防ぐ
「誤って誰かの悪口をグループに発信してしまうと、その本人にも届いてしまう可能性も。そのあとの展開は、想像するのも怖いですが……これを防ぐ方法があります。ひとつは、トークの相手ごとに、背景の色を変えること。その人が参加しているグループにはピンクなどの背景に設定しておけば判断しやすく、誤送信を防ぎやすい。また、相手のIDがニックネームなどで混乱しやすいときは、フルネームに書き換えてしまうこともできます」
■長文を書くときはひとまとめに投稿しよう
「どうしても長文を書きたいときは、パソコンのメールがふさわしいでしょう。でもスマホしか手段がない場合、何通にもわけると、その分通知も増えて、相手に迷惑です。LINEは長文メールを見るのには適していませんから、よほどのときだけにとどめておきたいものです」