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冬のボーナスシーズンに向けて、各メーカーから冷蔵庫の新製品が発表された。

 

「最近の人気冷蔵庫のトレンドは『大容量・省エネ・おいしさキープ』の基本3性能。各社それぞれ、しのぎを削って機能をバージョンアップし、進化させているので、目移りしてしまいますね」

 

こう語るのは、All about家電ガイドの戸井田園子さん。

 

「各メーカーは冬のボーナスシーズン前、つまり11月までに新ラインナップをそろえます。冷蔵庫の新製品は、モバイル機器などと違ってニュースになりにくいということ、また家電量販店の店頭に並んで、消費者に情報が届くまでに時間がかかるという事情があるからです」(戸井田さん・以下同)

 

今シーズン、国内の大手5大メーカーが発表した大容量型の価格帯は、30〜40万円と決して安くはないが、「高くても欲しい」というユーザーが増えているのだとか。最近は、海外製などの安い冷蔵庫も売られているが、国内メーカーの製品は省エネ効率が高いので、電気代は安くすむ。

 

また、家庭料理は和食、洋食、中華に加えエスニックと、バリエーションがますます広がっている。ストックしたい調味料や食材も増え、さらに作り置きや冷凍食品など、保存したいものが増える一方だ。主流の大容量冷蔵庫は、こうした日本の主婦の細かいニーズにも対応しているため、多少値段が高くても、国内メーカーの製品を選んだほうが満足度は高くなるという。

 

「前年に発売された冷蔵庫は、発売から1年を過ぎると『型落ち品』と呼ばれ、値段は2分の1程度まで下がります。ですから、省エネ性能に劣る安い価格帯の製品を選ぶより、大手メーカーの型落ち品を買ったほうが、結果的に電気代も節約できてお得です」

 

近年は気候変化のためか、高温多湿の日が増え、食品を常温で保存するとカビが生えるなど、傷むのが早くなったと感じる人も多いだろう。そのため、米やパンのほか、さまざまな調味料、さらにペットフードなども冷蔵庫で保存するようになり、大容量へのニーズがいっそう高まってきている。

 

大容量化で気になるのは消費電力だ。各メーカーのパンフレットに記載されている「年間消費電力量」を見てみよう。たとえば、各社の500リットルタイプの電気消費量は年間250〜290kWh。これを金額に置き換えると年間6,000円程度に収まる計算だ(東京電力の従量電灯Bの場合)。しかも、各社のパンフレットをよく見ると、300リットルの電力量よりも500〜600リットルと大容量になるほど、消費電力は少なくなっている!

 

「容量が増えているのに、消費電力が少なくなるのはどうして? と疑問を抱く方も多いでしょう。最近の大型冷蔵庫は、高性能の断熱材やモーターの回転数を制御するインバーター、冷やしすぎないためのセンサーが搭載されているため、ひんぱんに電力のオン・オフを切り替える必要がなく、消費電力が抑えられるように設計されています。逆に、安い価格帯の小型冷蔵庫などは、高価なインバーターやセンサーを搭載できないので、省エネ効果が得られにくいのです」

 

冷蔵庫を買い換えるサイクルは、一般的に10年ほどといわれている。家電の中でも特に長く使うものだから、毎日の台所仕事がはかどる高機能な製品ほど、満足度は高くなるはず。決して安い買い物ではないからこそ、じっくり見極めて選ぼう。

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