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先日、自宅の窓のゴムパッキンに黒々としたカビが生えているのを発見し、驚愕した記者。さらに、梅雨どきですら生えなかった観葉植物までカビている! なぜ、よりによって乾燥した冬に!?

 

「冬は夏にくらべて乾燥しがちなのは事実ですが、部屋のなかは意外と温度が高く、最近の家屋は20度前後を保っていることが多い。そして、人間にとっての心地よい環境とカビにとってのそれは、よく似ています。冬でも暖かく快適な部屋には、カビも生えるんです」

 

そう話すのは、衛生微生物研究センター主席研究員の李新一さん。微生物による被害を防ぐ調査研究に従事している“カビマイスター”は、こう続ける。

 

「そもそも、カビはどこにでもいます。今ここにも、空気中にも浮遊していますが、小さすぎて見えません。が、カビが家のどこかに落ち着き、そこがカビにとって心地よい場所だった場合、菌糸を伸ばして成長し、姿を現します。食品や革製品などの自然素材に生えやすいですが、壁紙やゴムパッキンなどに生えることもあります」

 

冬でも暖かい最近の家屋ではカビが大発生する可能性があるという。そこで、冬のカビ対策を李さんに聞いた。

 

【下駄箱】

1日履いたロングブーツを、丸1日干してから計測した実験では、中の湿度はまだ90%もあった。

 

「ブーツの湿気を完全に除去するには、快晴の日に丸2日間、屋外に干す必要があります。現実的にはなかなか難しいので、除湿効果のある炭や、靴専用の除湿剤などを入れておくのもいいですね」(李さん・以下同)

 

ただし、除湿剤は当然ながら水分を吸うので、長期間入れっぱなしにしておけば効果は激減! 炭は干して乾燥させ、除湿剤は定期的に交換するのを忘れずに。

 

【寝室】

「布」の宝庫である寝室。家のなかでも、もっとも湿気がたまりやすい場所だ。

 

「人間が寝ている間にかく汗は、ひと晩で多いと約1リットルともいわれます。それをシーツや布団が吸っているんですから、カビが生えやすいのは当然です。敷布団と掛布団は、晴天の日にできるだけ頻繁に干し、シーツやベッドパッドは数日に1度は交換を。環境的に難しい場合は、布団乾燥機の使用も有効です」

 

【クローゼット】

布には、水分を吸収する性質がある。水分を含んだ布を放っておくと、周囲の湿度が上がり、一緒に保管している革製品にカビを生やすことになる。

 

「しまい込んだ靴やバッグにカビが生えることはよくありますね。布製品が多いクローゼットには除湿剤を入れてカビ対策を。そして定期的にサーキュレーターで風を送る、除湿器を入れるなどして湿度を下げる工夫をしましょう」

 

タンスの引出しにも除湿剤を。こちらも定期的な交換を忘れずに。

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