「女のひとり旅なんてワケありに違いない」と敬遠されていたのは、もはや昔話。子育てや介護を終えた女性たちが、ひとり旅を満喫する時代になっているのだ。旅館や旅行会社もおひとり様プランを続々と展開していて、ひとり旅デビューもしやすい。とはいえ、ひとりはやっぱりいろいろと不安という人のために、旅の達人にコツを聞いた。
「まずは1〜2時間で行けて、環境がガラッと変わる素敵な場所がいいと思います。東京から行くなら、軽井沢や山梨県の那須高原がいいですね」
そう話すのは、造形作家の森井ユカさん。仕事でもプライベートでも世界各国を回る大の旅好きだ。
「ひとり旅初心者にとってレンタカーはハードルが高いので、コンパクトなエリアに観光スポットが集まっているところが安心ですね。京都や金沢、仙台などは移動もかんたんで、おススメです」(森井さん)
ひとり旅のノウハウを教えてくれたのは、旅ジャーナリスト・のかたあきこさん。
「目的地までの交通手段は、値段をとるか速さをとるかで使い分けましょう。移動そのものを旅の目的にするような観光列車なども楽しいです。その場合は事前に予約を。また、飛行機や新幹線はネット予約がお得。宿泊料が割高になりがちなひとり旅では、移動と宿泊がセットになった格安プランも活用しましょう。ただし得割や旅割など格安料金でチケット購入した場合、かなりキャンセル料がかかってしまいますのでご注意を」
交通手段と併せて決めておかなくてはならないのが宿。
「おひとり様プランでおいしい食事や女性ならではのサービスを受けられる旅館も増えています。食事も半個室や、ひとり客同士の席を近づけるなどの配慮があるので、にぎやかな中にポツンということはなく、孤独感にさいなまれることが少ないです。宿メインの旅でないならビジネスホテルもおススメですが、外国人観光客の増加で人気都市のホテルはかなり取りにくい状況。料金も驚くほど跳ね上がるので、できれば3カ月前くらいに予約を」(森井さん)
また、最近は特におひとり様プランを設けていなくても、受け入れている宿が多い。
「気になる宿には問い合わせてみましょう。通常料金より割高になるものの、1泊朝食付きや素泊まりのプランもあるので、予算に応じて選べます。ただし旅館の場合はオフシーズンの平日に利用するのがおススメ。混雑する週末や繁忙期は避けたほうがゆっくりできますし、宿の方とコミュニケーションもとりやすく歓迎されます」(のかたさん)
見知らぬ土地でもスムーズに移動するための対策は、スマホ。地図アプリを使うのが初めてなら、出かける前に身近な人に教えてもらおう。操作はかんたん。現在地から目的地まで案内してくれる。
「内緒にしたいのですが、私もぶっちゃけ方向音痴。でも地図アプリがあれば迷いません。スマホがないなら、最寄りの観光協会で地図をもらって、目印を教えてもらいましょう。どちらにしても、旅立つ前に目的地からどう動くかを大まかにシミュレーションしておくと安心。効率よく回るなら交通機関の時間を調べておきましょう。平日、土曜祝日、季節で時刻表が変わるので注意して」(のかたさん)