楽しく、幸せなねことの暮らし。でも、不調やトラブルは突然やってくる。そこで、猫専門医の服部幸先生が、悩みをズバリ解決する「にゃうにゃう猫生相談」!今回も、悩めるねこからこんな相談が届いた……。
【Q】「私は8歳のメス、サビ柄です。最近暑くなってきたので、激しい運動はしたくないし、暑いから飼い主さんのベッドにも行かなくなりました。そして、たまに食欲がなくなることも。だからといって、冷房で寒くなった部屋も嫌いです。快適に夏を過ごすにはどうしたらいいですか?」
【A】「軽く除湿を入れておく、扇風機を使用することで、暑さを和らげられる」(服部幸先生)
ねこが夏場に食欲が落ちたり、動きが鈍くなることはあると思います。ただ、それは暑さのせいに限らず、冷房で冷しすぎている可能性もありますし、冷房のつけ消しによる激しい気温変化が原因の場合も。私の個人的な意見では、ケージに入れたまま、リビングに閉じ込めるなど、逃げ場のない場合を除いて、冷房をつけなくてもいいのではないかと思います。極端な話をすると、ノラねこは冷房なしで生活しています。また、室内飼育のねこでも冷房をつけておくと、自分から暑い場所を探すコもいるためです。
軽く除湿を入れておく、扇風機を使用することでも、暑さを和らげられるのではないでしょうか。お風呂場のタイルなど冷たい場所に、自分で探して行けるようにしておくことも大事です。ただ、生まれてからずっと冷房慣れして暑さを経験したことのないねこや、長毛種の場合は一概に冷房を使用しないでいいとは言えません。
ねこはいぬやヒトに比べて熱中症になりにくい動物といわれていますが、夏バテはあるかもしれません。ただ、その食欲不振などの症状は、夏バテではなく病気の可能性もあります。1食食べないくらいでしたら様子を見てもいいかもしれませんが、何日も続くようでしたら受診しましょう。