「女性の多くが、充分な睡眠時間を確保できていません。NHK『国民生活時間調査2010』によると、特に40代女性の睡眠時間が短いという結果も出ています。お子さんやご主人よりも遅く就寝し、早く起きる女性は、睡眠不足による症状に悩む方が多いのです」
そう教えてくれたのは、睡眠総合ケアクリニック代々木の柳原万里子先生。世界の平均睡眠時間に比べ、日本人は慢性的な睡眠不足だといわれている。特に更年期付近の女性は、不眠や倦怠感の訴えが多いそう。
「寝つきが悪くなかなか眠れない(入眠障害)、睡眠中にしばしば目が覚めてしまう(中途覚醒)、まだ眠いのに朝早く目が覚めてしまい、再び入眠できない(早朝覚醒)など、不眠症の症状を訴える方が多いのです。女性ホルモンの減少が関係していますが、介護や人間関係によるストレスを抱き、子育てが一段落するなど、ライフステージの変化も影響しているのでしょう」(柳原先生・以下同)
国際分類では68種類にも及ぶ睡眠障害。睡眠障害は原因をつきとめ、根本治療をしていくことが最善の策。そこで、睡眠障害のサイン10を紹介!あなたは大丈夫?
【1】布団に入っても目がさえてしまい寝られない
【2】途中で目が覚めてしまう
【3】朝望ましい時間に起きられない
【4】どんなに長く寝ていても居眠りしてしまう
【5】平日より休日に2時間以上長くねる
【6】いびきや無呼吸を指摘された
【7】起床時に喉が渇いている
【8】夜に悪化する手足などの違和感のため寝付けない
【9】寝ている間に手足のピクつきが多い
【10】夢に合わせて大きな寝言や体動がある
1項目でも該当する場合には、睡眠外来の受診を検討することを推奨。また、症状が出た前後で、生活に変化があったかどうかを振り返ることも重要だと柳原先生は語る。
「子育てや仕事が忙しくなり、睡眠時間が減ったのであれば、睡眠時間を延ばしてみる。ストレスが増え、悩んで寝つけないのであれば、精神生理性不眠症の可能性も。何か生活の変化がなかったかどうか一度顧みてみましょう」