医学は日進月歩。それだけに、昨日まで信じられていた「正しいこと」が180度変わってしまうことも!体にいいことを日常に取り入れていくためにも、とりあえず現状を把握しておくことが大切なよう。そこで、医療の常識としてどれがいま正しいのか?3人の先生にジャッジしてもらった。
解説してくれたのは、東京家政大学家政学部教授で整形外科の中村信也先生。神経内科医で東京あきる野市・米山医院院長の米山公啓先生。神経内科・頭痛専門医で秋葉原駅クリニック院長の大和田潔先生だ。
【Q】ウコンは二日酔いに効くの?
「判定はX。二日酔いは、取りすぎたアルコールと、それが分解されてできるアセトアルデヒドによる症状。ウコンにそれらを解消する力はありません」(大和田先生)
「判定はX。CMなどにより、ウコンを飲むと二日酔いしないという暗示(プラシーボ効果)で効いた気がするのではないでしょうか」(米山先生)
と、2人は否定的だが、こんな意見も。
「判定は○。漢方ではウコンは肝臓を強くする薬。大量に飲むとかえって肝臓を悪くするので1日にドリンク1本程度が適量でしょう」(中村先生)
【Q】WHOが、ハムやソーセージを食べると大腸がんになりやすくなると報告していたけれどホント?
「判定は△。加工肉の添加物に発がん性があることは、以前から指摘されていたこと。なぜいまWHOがあえて発表したのか、意図がわからない。欧米人は、日本人が信じられないくらい加工肉を食べる。だから世界的な大反響になったが、日本人は害が指摘されるほどの量は食べていない。安心してください」(米山先生)
【Q】とうがらしを毎日食べると、すべての病気において死亡リスクが低下するってホント?
生とうがらしを週6〜7日食べている人は、週1日未満の人に比べ、死亡率が14%低下すると、中国の研究グループが発表し話題に。本当にとうがらしに長寿効果があるのだろうか?
「判定は△。とうがらしの成分であるカプサイシンが代謝をよくすることは考えられるが、それ以上は不明」(中村先生)
「判定は△。カプサイシンの多量摂取は胃腸をただれさせるし、なぜ長寿になるのか理由が不明」(大和田先生)
「判定はX。とうがらしを売りたいがための調査ではないか(笑)」(米山先生)
【Q】「赤ワインを飲むと健康にいい」はウソだった?
いまから25年前、フランスのレナウド博士が「喫煙と動物脂肪を多く取るフランス人が心臓病になりにくいのは、赤ワインのおかげ」と発表。その年、世界中で赤ワインの需要が44%も増加したとされる。しかし近年の研究で、フランス人の心臓病罹患率が決して低くないことがわかり、疑問視されている。
「判定はX。赤ワインに含まれるポリフェノールが体にいいことは実証されています。問題は飲酒量。赤ワインの摂取適量は、1日グラス2杯まで。のんべえのフランス人が2杯ではすまないでしょう。その結果、アルコール過剰摂取の悪影響のほうが上回ってしまう。適量ならOK」(中村先生)
「判定は◯。基本的に飲酒は体によくない。添加物の酸化防止剤やアルコール過剰摂取が気になります」(大和田先生)