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寝たきりや認知症にもなっていないーーそんな“健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間”を示す「健康寿命」で、愛知県の女性は、76.32歳で全国1位(厚生労働省調べ・’16年時点)に。全国平均の74.79歳を大きく上回った。

 

「実家に帰るたびに79歳の母親に『あれ食べたい、あそこに行きたい』と振り回されます。町を歩けば元気なシニア女性でいっぱい! 愛知県の健康寿命の延びは、間違いなく元気な“名古屋おばあちゃん”が引っぱっています」

 

そう話すのは、愛知県の県庁所在地・名古屋市出身のコラムニスト、ペリー荻野さん。生活習慣や食生活、医療サービスの充実などが大きく影響する「平均寿命」では全国32位(’15年分)の愛知県の女性。どのようにして“健康寿命日本一”に上り詰めたのだろうか。

 

“名古屋のおばあちゃんが健康寿命をけん引している”と語るペリーさんがあげるのは次の3つのポイントだ。

 

【1】お出かけ好き

【2】お値打ちが好き

【3】おしゃべりが好き

 

「“名古屋おばあちゃん”はとにかく好奇心が旺盛で新しいものが大好きです。’05年の『中部国際空港セントレア』開港のときは、旅に行くわけでもないのに『行かなアカンで』とおばあちゃんたちが空港に殺到しました。最近では『ジェイアール名古屋タカシマヤ』がお気に入り。待ち合わせスポットの“金の時計”が、あまりの人ごみで、待ち合わせできない状態です。とにかく物見高くて出歩くから自然と足腰が鍛えられるのでしょう」(ペリーさん・以下同)

 

しかも、その“お出かけ好き”を支えているのが交通機関の「敬老バス」だという。

 

「シニア向けの優待バスは東京や大阪にもありますが、対象は70歳以上。名古屋市が発行している『敬老バス』は65歳以上で一定の負担金を払えば市バスや地下鉄が無料。今どきの65歳はフルマラソンを走る人がいるほどなのに。それでも『近くに地下鉄の駅がないガヤ、私鉄もタダにしてくれ』と役所に苦情がくるそうです」

 

無料なら遠出したほうがお値打ちダデーーそこにも健康の秘訣が隠されていた。

 

「名古屋には“お値打ち文化”というものがあって、お値打ちコースなどに目がない。また、値切る慣習も大事にしていて『まからんか、コレ?』というのが名古屋おばあちゃんの口癖です。実家の近所には『まからん屋』という名のお店があったくらい。ふだんから、いかにおトクな買い物をするかと頭を回転させることで、脳を活性化させているのでしょう」

 

“おしゃべり好き”はどう作用しているのだろう?

 

「私の母は、姉妹と集合すると近所の喫茶店でお互いの病気や体調について一日中おしゃべりをしています。そんな“身内”や友達が集まって、情報交換したり、夫の愚痴やドラマなどの話をしたりするのが近所の喫茶店です。名古屋にはたくさんの喫茶店がありますが、あれはおばあちゃんたちの“応接室”。そこで繰り広げられるおしゃべりは、ストレス発散にもなっているのです」

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