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最近のダイエットの定番といえば「低炭水化物ダイエット」。これは「糖質制限ダイエット」ともいわれ、なるべく炭水化物をとらない食事療法だが、この方法が「低脂肪食」より、ダイエットと心臓や血管の疾患リスクを減らす効果がある、という調査結果が出た。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は言う。

 

「アメリカのテュレーン大学健康科学センターでは、22〜75歳の男女148人に『低炭水化物食』と『低脂肪食』のいずれかを12カ月間、食べ続けてもらう調査を実施。その結果、体重、体脂肪量、中性脂肪値が『低脂肪食』よりも『低炭水化物食』を食べ続けた人のほうが低下したというのです。血管をキレイにして動脈硬化を防ぐ『HDLコレステロール』の値が上昇。心筋梗塞のリスクを上げる『CRP値』の低下が認められました」

 

さらに、多くの人がすでに実践している「食べる順番ダイエット」にも新たな展開が。これはその名のとおり、最初に野菜を食べて、次に肉や魚などのタンパク質、最後にご飯やパン、パスタなどのタンパク質の順番で食べるダイエット法だ。

 

「実は『食べる順番ダイエット』は、糖尿病の患者さんの食後の急激な血糖値の上昇を防ぐために、日本の研究グループが’10年に発表した食事療法の副産物なのです。最初に野菜を食べると消化管ホルモンの『インクレチン』が出てきます。この物質が『インスリン』の分泌を誘導し、炭水化物をとることによる、血糖値の急激な上昇を抑えます。アメリカ・ワイルコーネル医科大学のチームはこれに注目し、糖尿病患者に実施。『薬物治療の効果に匹敵する』と太鼓判を押していました。今後、世界中に広がっていくかもしれません」

 

このような流れだと、炭水化物は「悪い」ものと思われるかもしれないが、小林先生はこう言う。

 

「炭水化物はエネルギーの源です。適度に摂取しなければ血流も悪化。体のすみずみまで酸素が届けられず、老化も加速します。やはりダイエットの近道は、炭水化物を適量とって、1日のカロリーを一定量に保ちながら適度な運動をすることなのです」

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