「“脳脊髄液”は、リンパ液、血液という三大体液の中で司令塔のような役目を果たし、これが滞ると、頭痛やめまい、眼精疲労など、体全体にさまざま不調があらわれます。いろいろケアしているのに症状がよくならない、という人は脳脊髄液の流れを意識して改善してみてください。また、お顔にいちばん近い体液なので、美容面でもかなり重要な役目を果たすんですよ」
こう語るのは東京・表参道にあるサロン、グレースフィオーレ代表の鈴木琴乃さん。脳脊髄液とはあまりなじみのない名称だが、略して髄液といわれる無色透明な液体のこと。わかりやすいイメージとして、脳はパック入りのお豆腐のようなもの。密封された容器の中に入っていて、お豆腐を脳だとすると、その周りを覆っている水の役割を果たすのが脳脊髄液だ。
「脳を安全に守るための体液です。適切に頭をもみほぐすことで脳脊髄液がスムーズに流れ、全身の血流を促し、リンパ液も流してくれます。これにより必要な酸素や栄養が体全体に運ばれ、傷の治りが早くなるなど、自然治癒力を高めてくれる役割もあります」(鈴木さん・以下同)
それにしても脳脊髄液が頭や首だけでなく、全身状態にまで影響を及ぼしているとは。
「脳脊髄液は、脊髄からお尻の先の仙骨まで流れているので、全身に影響します。また、頭部には、頭頂部や側頭部などにたくさんのツボがあり、それぞれ、体の各臓器に対応しています。押して痛みのある部分は、そこに対応する臓器の不調のサインでもあるので、要注意です」
そう話す鈴木さん自身が、シンメトリーな小顔の美人。脳脊髄液の流れがとってもスムーズなのだろう。
「美容効果としては、シミ、シワはもちろん、白髪やちりめんジワなどの改善にもなります。また、年々お顔が大きくなるという方は、頭のこりが原因のことも多く、そこを改善することで小顔になります」
そもそもこの脳脊髄液マッサージは、いまだ原因不明ともいわれる顔面まひに苦しむ患者さんのために考案されたものだという。それを師匠から伝授された鈴木さんが、リンパマッサージなどと融合させて独自の方法にアレンジ。当初は小顔などのアンチエイジング目的で訪れる女性も多かったが、最近は、頭痛はもちろん、眼精疲労やめまい、不眠などのつらい症状を抱えてくる人も増えているそう。
「うつで苦しんでいた方は、頭痛や不眠が改善され、相乗効果でお顔の色が明るく小顔にもなってこられて、現在は元気に海外出張されています。またアンチエイジング目的で来られた方で、更年期症状が軽くなられたということもあります」
疲労やストレス、加齢などからくる、困った症状を抱えているけど、どこをどうケアしたらいいのかわからないという人は、小顔などの美容効果もある、「脳脊髄液マッサージ」を試してみてはいかが?