緊急検証!首都直下型地震で危険な「地下鉄の駅」ワースト10
今春、東京都防災会議が首都直下型地震の1つ『東京湾北部地震』について、新たな被害想定を発表した。新想定では都内の約30万棟の建物が倒壊、火災によって消失。そして死者数は約9千700人との推計が出ている。
だが万が一、通勤・通学のラッシュ時に、地下鉄の駅構内や走行中の電車内で地震に襲われたとしたら、この被害想定をさらに上回ることは十分に予想できる。1日あたりの延べ乗客数が860万人(東京メトロ9路線・約630万人、都営地下鉄4路線・約230万人)。そんな東京の地下大動脈が、最大震度7の首都直下型地震の直撃を受けたらどうなるのだろうか。
「地震は地層を歪め、空洞があれば力はそこに集中するので、当然、地下鉄は崩壊する危険性があります。危険性は、トンネルが掘られている地盤の強弱によって大きく異なりますが。崩壊した場合、乗客はトンネル内に取り残されることになる。また、電車に乗っていなくても駅の入口周辺などが崩壊すれば、ホームなどの構内に閉じ込められることも考えられる。そして、地下鉄内に取り残されてしまった場合は、救助活動は非常に困難で厳しい状況となるでしょう」
そう語るのは、災害危機コンサルタントの堀越謙一さん。そこで堀越さんが、震度7の首都直下型地震が発生した場合、どこが”被災危険度”の高い駅なのかを検証、ランキングを作成してくれた。検証の基準を堀越さんはこう解説する。
「地下鉄のリスクとしては、1・路線の崩壊。2・駅の倒壊により構内に閉じ込められる。3・津波により駅構内やトンネルへの海水や河川の氾濫による流入の3つが想定されます。そこで、トンネルおよび駅の位置する地盤の強弱を『表層地盤増幅率』(防災科学技術研究所)などのデータから徹底調査。さらに、内閣府の『地下鉄等の浸水シミュレーション』(’09年)の数値などから氾濫水の流入の可能性についても分析・評価を行いました」
今回の分析・評価はあくまでも国などの数値データをもとに、本誌が独自にランキング化したものである。したがって、ワーストの上位だからといって、巨大地震が起きたら必ず崩壊、倒壊、水没するということではない。その上で、気になるワースト10は以下の通りだ。
【1】住吉(半蔵門線)
【2】森下(都営大江戸戦)
【2】水天宮前(半蔵門線)
【4】錦糸町(半蔵門線)
【4】押上(半蔵門線)
【4】清澄白河(半蔵門線)
【7】浜町(都営新宿線)
【8】築地市場(都営大江戸線)
【8】西大島(都営新宿線)
【10】東銀座(日比谷線)
【10】森下(都営新宿線)