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「ツメを見ると、その人の健康状態がわかります。糖尿病などの生活習慣病や動脈硬化、心疾患など病気を見つける手がかりにもなります」(千春皮フ科クリニック・渡邊千春院長)

 

自分の手のツメをふだんは特に気にかけることもなく、マニキュアをしていて自分の地ツメを最近きちんと見ていないという人も多いのでは? かく言う本誌記者も、ツメが伸びてきたら切るくらいで、状態まで気にしてはいない。

 

「ツメは、ケラチンという皮膚や髪の毛と同じタンパク質からできています。また、ツメの下には末梢の血管が多く集まっているため、血液循環の影響を受けやすく、栄養不足や貧血、心臓や肺などの内臓疾患の異常に伴う変化が表れやすいのです」(渡邊院長・以下同)

 

心臓の疾患まで表れることも!? ツメのチェックなら手軽にできるし、面倒くさがりやの本誌記者でもできそうだ。渡邊院長に、ツメに現れる病気のサインについて解説してもらった。

 

「わかりやすいのはツメの色。大病を患っているときは、色の変化が比較的顕著に出やすいです」

 

通常のツメの色は薄いピンク。これは健康な血液がツメの下をよどみなく流れている証拠だという。

 

「よく見かけるのは白いツメです。肝硬変などの肝疾患やネフローゼ症候群といった腎機能の病気の可能性があります。とはいえ、40歳を過ぎると、年齢的にも貧血がちになる人も多いので、白いツメが気になった人は、まずレバーやほうれん草など鉄分を多く含む食事を心がけて様子を見てもいいでしょう。食事から取るのが大変という人はサプリメントなどで取り入れるのも一案です」

 

さらに注意したいのが赤、紫、赤黒、黒、黄、緑への変化。

 

「赤いツメは、動脈硬化や赤血球が増加する多血症のサインの場合も。多血症は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともあります。脱水が原因の場合もあるので、こまめな水分補給も心がけてください」

 

紫色は血流が滞っていることが原因。心臓病や肺疾患のサインの可能性があるという。肝硬変や肝臓病が重症化していると赤黒くなることもあるそうだ。

 

そして、がんの疑いも考えられるのが黒いツメ。

 

「ツメ全体が黒くなったり、黒い縦線が入るなどさまざまですが、甘皮まで黒いときは、メラノーマという皮膚がんの一種である可能性もあります。気になる人は皮膚科の受診を」

 

また、緑膿菌という菌に感染するとツメが緑色になる。黄色い場合は栄養障害、特にタンパク質の不足が考えられるそうだ。

 

病気は早期発見が大切! これからは指先のチェックで体からのSOSをキャッチしよう!

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