日々の買い物のあらゆるシーンで発生する、クレジットカードのポイント。貯め方次第でガッツリおトクになるチャンスを逃がさないためには、“選択と集中”が肝心。
「いまだに就職した際に作らされた銀行系のクレジットカードをそのまま使っている人を見ると、『もったいない、すぐ切り替えなさい』と言いたくなります」
こう話すのは、30年間にわたってクレジットカード(以下クレカ)に関する情報発信を続けてきた消費生活評論家の岩田昭男さん。たしかに何年も前になんとなく作ったクレカを保持している人は多いが、そんなにもったいないことなのだろうか。
「次の4枚は私が厳選したクレカです。年会費、ポイント還元率、特典等を現在の自分のクレカと比べてみてください。おそらくかなりの差があるはずです」(岩田さん・以下同)
【楽天カード】
年会費:無料
ポイント還元率:1%(楽天スーパーポイント)
注目すべきメリット:街での利用でも100円の買い物で1円相当のポイントが貯まる。楽天市場での利用はポイント+2倍、スマホアプリの併用などで+1倍。さらに毎月5と0のつく日はポイント+2倍キャンペーンなど、6%以上の還元が可能に。
【JREカード】
年会費:477円(税抜き・初年度は無料)
ポイント還元率:0.5%(JRE POINT)
注目すべきメリット:今年7月に誕生したばかりのカード。アトレなどJR東日本の駅ビルや駅ナカ、ネットショッピングJRE MALLでの買い物で3.5%、切符や定期券購入、Suicaへのチャージで1.5%というポイント高還元率が魅力。
【イオンカードセレクト】
年会費:無料
ポイント還元率:0.5%(ときめきポイント)
注目すべきメリット:キャッシュカード、クレジットカード、電子マネーWAONの機能・特典が一体化。イオングループの対象店では常にポイントが2倍の1%還元。そのほか毎月20日と30日は5%オフ、特定日にポイントが2倍など特典多数。
【dカードゴールド】
年会費:1万円(税抜き)
ポイント還元率:1%(dポイント)
注目すべきメリット:入会時に最大1万1,000円のキャッシュバックがあるため、初年度会費は実質無料。またドコモの携帯とドコモ光の利用料金はポイント還元率10%。ローソンやマツモトキヨシならさらにポイントアップの店舗もたくさん。
現在、クレカの発行元は銀行系、信販系、流通系、通信系、交通系と多岐にわたる。
「発行元が違っても、ほとんどが国際ブランドのVISA、マスターカード、JCBの3社のいずれかと契約しているので差はありません。選ぶ基準は、どれだけポイント還元でトクできるか、です。一時、かなり高還元率のクレカも乱立しましたが、結局息切れして次々とサービス停止になってしまいました。業界がいったん落ち着きを見せているいま、自分のクレカを見直すにはちょうどいい時期とも言えます」
そこで今回、クレカのスペシャリストである岩田さんに、おすすめのクレカでの効率的なポイントの貯め方を教えてもらった。
「まず使うクレカをメインとサブの2枚に絞り込むこと。基本的にポイントは各社で互換性がないため、バラバラに貯めては使い勝手が落ちます。2枚に限定してポイントを集中させること。そうすれば年間10万ポイント(=10万円相当)のバックも夢ではありません」
どの“2枚持ち”に絞るにせよ、まずは楽天カードをメインに据えることを岩田さんは推奨する。
「楽天カードはネットショッピングで日常的に使え、年会費が無料、ポイント還元率も1%と高い。多くの人にとってメリットが大きいクレカです」
次にサブカード。これは自分のライフスタイルによって絞り込む。
「今年7月に発行され、いま注目なのが『JREカード』。JR東日本の主な駅ビルや駅ナカで使用するとポイント3.5%還元。レストランや食料品、お弁当などもすべてポイント高還元率の対象であるのが画期的です。Suicaへのチャージでも1.5%還元と、首都圏でJRの駅をよく利用する人には最適でしょう」
岩田さんの試算では、衣服や食料品、外食、JR運賃をすべてこのカードで賄えば、年間5万円相当のポイント獲得も可能だとか。
「重要なのは、それまで気の向くままにしていた買い物を、サブカードで高還元率店に集約すること。つまり、ポイント獲得のために自分の生活動線を見直すことをおすすめします」
同じことが「イオンカードセレクト」にも言える。
「クレカのほか、イオン銀行のキャッシュカード、イオンの電子マネーWAONが一体化。このカードならまずイオン銀行の利用手数料が24時間無料。またWAONにクレカからチャージしてWAONで支払うことでポイント二重取りも可能。しかも特定日はイオングループの店で5%オフ。イオンマニア一家にはかかせない1枚」
そしてドコモユーザーにとっておトクなのが「dカードゴールド」。
「年会費こそ1万円ですが、入会時キャッシュバックが最大1万1,000円あり、ドコモの携帯料金とドコモ光の還元率が10%なので、毎月携帯代で1万円前後使う人ならペイできてしまいます。家族でドコモユーザーならさらにおトクに。また、ローソンでの買い物ではカード決済にすることで、その場で3%の割引に加え、2%のポイント還元もあり、実質還元率は最大5%。こうしたキャンペーンをどんどん活用してください」
年間10万円のおトクとあれば、手持ちのクレカと生活動線を見直す価値は十分にありそうだ。