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発酵食品が大ブームの今、びっくりするほどお手軽につくれる調味料があった。それは「発酵たまねぎ」。特別な材料はいっさい不要どころか、ズバリ「たまねぎ100%」! 水も塩も不使用。しかもコツは“ほっとくこと”なんて、おいしすぎやしませんか?

 

発酵たまねぎの作り方は、たまねぎをすりおろし、ビンに入れ、冷蔵庫で2週間ほっとくだけ。完成した発酵たまねぎは、コクとうまみの万能調味料になる。

 

天然酵母にこだわるパンの店「はつたもの」店主の増島智子さんが、発酵たまねぎに出合ったのは10年前、ベーキングパウダーの代用として天然酵母を勉強したとき。

 

「cobo(酵母)を研究・開発する『ウエダ家』の講習会のテーマが、料理に使える“たまねぎ酵母”だったんです。家に持ち帰って定番のトマトソース煮に加えてみると、コクと風味が驚くほど増して。以来、スープや炒め物など、さまざまな料理に加えています。コンソメやだしの代わりにもなるので、もう手放せないですね」(増島さん)

 

たまねぎはもともと、料理に使いやすく体にいい野菜。「血液をサラサラにしてくれる」「疲労回復効果がある」辛み成分の『硫化アリル』や、「腸内環境を整えてくれる」善玉菌のエサになる『オリゴ糖』、腸の働きをよくする『食物繊維』など、健康効果をもたらす成分が含まれている。そんなたまねぎを発酵させると、どんな利点があるのか。内科医でイシハラクリニック副院長の石原新菜先生が解説してくれた。

 

■栄養価が上がる

 

「発酵とは、微生物の力で食材が分解され、人にとって有益な形に変化すること。その過程で、もとの栄養成分が増えるほか、新たに『アミノ酸』や『ビタミンB12』などの栄養素もプラスされます。甘みやうまみが増すのもそのためです」(石原先生・以下同)

 

■栄養成分が吸収されやすくなる

 

「いくらたまねぎが栄養的に優秀でも、きちんと消化・吸収できなければ効果半減。その点、発酵食品は、あらかじめ微生物によって分解されているので、生のままより、消化・吸収されやすい状態に。たまねぎの健康効果がより高まります」

 

■整腸作用に相乗効果が生まれる

 

「発酵たまねぎの『乳酸菌』は植物性。動物性に比べて胃酸に強く、生きて腸まで届きやすい利点があります。たまねぎの整腸作用との相乗効果で、腸がきれいに。腸内環境が整うと幸せホルモンが多く分泌されるので、精神的にも安定します」

 

たまねぎを発酵させると体にいいことがいっぱい! 毎日の料理にちょい足しすれば、おいしくて栄養満点です!

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