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「秋の初めは、夏のダメージが肌にも表れる季節です。美しい肌を維持するためには、エステや高級化粧品に頼るよりも、腸マッサージと運動で美肌菌を増やすほうが効果的です」

 

そう爽やかに笑みを浮かべるのは、小林メディカルクリニック東京の小林暁子先生(48)。これまで自ら実践してきた美肌術をまとめた『医者が教える最高の美肌術』(アスコム)を出版したばかりだ。

 

そこで小林先生に、疲労した肌を回復させてシワを改善する方法を教えてもらった。そもそも美肌菌とは何?

 

「美肌菌は、大きくわけて2種類あります。1つは、肌を内側から美しくする腸内細菌。私たち人間の腸内にすむ菌のうち、乳酸菌や、酪酸金、ビフィズス菌など『善玉菌』として知られている菌で、体の内側から肌をきれいにする美肌菌と呼んでいます。これらを増やすことが大事なんです」(小林先生・以下同)

 

また肌の表面や毛穴にも美肌菌がいるという。

 

「肌にも多くの菌がすんでいます。その中で大事なのは表皮ブドウ球菌で、肌の保湿成分として働き、皮膚のバリア機能を高めます。これは外側から肌をきれいにする美肌菌で、表皮ブドウ球菌を減らさないことが美しい肌には必要です。この内と外の美肌菌の力により、シワだけでなくシミやくすみ、ほうれい線も消えていき目立たなくなっていきます」

 

美肌菌を増やすためには、「腸マッサージ」と「股間節ストレッチ」が効果的だと小林先生。

 

「便秘など腸の働きが悪いと、ニキビや吹き出物の肌トラブルになることは知られています。腸の環境が悪いと、栄養も十分に吸収されずに体内で栄養不足が生じて、肌も老化してしまいます。そこで、入念に腸をケアしてあげる必要があるんです」

 

【腸マッサージ】

 

■腸の働きをよくする!
へそから左右真横に。指3本分(人さし指、中指、薬指)ほど離れた位置にあるツボ「天枢」を、中指の腹を使って左右同時に優しく押す。

 

■便秘解消に!
へそから左右斜め下に指3本分ほど離れた位置のツボ「大巨」を「天枢」と同じように優しく押す。

 

食後、30分ほどたったころに、マッサージをすると腸の働きを助けることができる。ただし、食後すぐは×! 押したときに「痛気持ちいい」ところは、腸がこわばっている箇所。2~3分、念入りにマッサージを。

 

「2つのツボを刺激することで、腸の活性化をサポートできます。毎日、手で触れていると、『今日は硬い』など、体調により自分の腸の状態の変化にも気づきます。慣れてきたら、“痛気持ちいい”ぐらい少し強くしてみましょう」

 

さらに、このとき上半身をねじったり、わき腹を伸ばすストレッチも加えると、腸のぜん動運動にも効果があるそう!

 

股関節ストレッチは、リンパの流れをよくする効果がある。

 

【股間節ストレッチ】

 

1)床に両手両膝をついて、四つんばいの姿勢になる。膝が痛い人は膝下にタオルを敷いて。
2)1から、片足を後ろに大きく伸ばす。ひじは曲がらないように。背中も丸くならないように。
3)伸ばした足を元の位置に戻す。2と3を左右とも10回繰り返す。

 

「腸のマッサージで、腸の働きをよくしても、老廃物を運ぶリンパ液の流れが滞っていると、美しい肌にはなれません」

 

なかでも鼠径リンパ節がもっとも大事だと小林先生。

 

「脇の下や鎖骨のリンパに比べて、脚の付け根にある鼠径リンパ節がもっとも大きく、ここを動かすことで、全身にリンパ液が流れていきます。現代人は、長時間同じ姿勢でいることも多く、運動量が低下。特に股関節を動かすことがなくなりリンパの流れも停滞しています。このストレッチで、リンパ液とともに血流もよくなり代謝もアップして、肌の細胞の生まれ変わりも促進されます」

 

小林先生は自宅で毎日、股関節ストレッチをしているという。

 

「できればこの運動は、鏡のあるところでやってみましょう。最初は足が上がらないかもしれません。続けているうちに足が上がりキープもできるようになります。その変化を鏡で確認するだけでも気分が上がります。背筋、腹筋、骨盤の強化にもなり、長時間同じ姿勢でいても、疲れにくい体になります。ヒップアップ効果もあります」

 

これらのエクササイズで、天然美容成分が体内に分泌されると、小林先生。

 

「腸内環境が整い血流もよくなると、美肌菌のバランスも整います。すると腸の細胞間から潤い成分が分泌されてくるんです。その成分はシワやシミをなくしていきます」

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