人は見た目が何割だとか、これまでもよく言われてきたことだが、細かく分析してみると「人は仕草が65%」。言葉から受け取る印象はたったの35%だという。意識していないところで嫌われないために、自分の仕草を見直そう。
「人は思った以上に相手の仕草に敏感。嫌われる仕草をしていると、確実にあなたから離れていきます」
こう話すのは、行動心理学者として10万人のデータを調査研究してきた御瀧政子先生。
「米国の心理学者・レイ・バードウィステル博士の調査では、1対1のコミュニケーションで、言葉によって伝えられる情報は全体の35%、残りの非言語から65%。さらにグループでの会話の場合、言葉で伝わるのは10%以下です」
つまり、人は会話とは別に、相手の仕草を見ながら、今何を考えているかなどを推察し、自分との距離を測っているのだ。
「典型的なのは、髪の毛をしょっちゅうさわったり、爪をかむなど、親から『それは人を不快にさせる』と指摘されてきた仕草。ただ、ふだん何げなくしている中にも、嫌われる仕草はたくさんあります」
そんな「人に嫌われる仕草」を御瀧先生が教えてくれた。
■用もないのにストローなど物をいじる
「人は相手の手の動きで感情の動きを読むことが多いもの。物をいじる仕草は『今の状況にストレスを感じていて早く終わらせたい』『つまらない』と相手に受け取られる行為なのでNG。また、テーブルをトントンたたくのは、相手の意見を拒否するサイン。無用に相手を怒らせてしまいがちです」
■体を斜めにして話を聞く
「人は、自分が興味のあることには正面を向いて話を聞く習性があります。つまり、体を斜めにしているということは『相手の話にそれほど興味がない』『嫌っている』というサインと取られてしまっても仕方ありません。微妙に斜めになっているだけで相手は敏感に感じ取るので、要注意」
■視線をさっとそらす
「よく『目は口ほどにモノを言う』と言いますが、人はアイコンタクトで相手の感情を読み取るのです。ふいに視線を左右にそらすことは『相手に関心がない』『相手のことを嫌い』と思わせる仕草。その方向を見たいときは、視線だけでなく顔全体を左右に振って見るのが無難です」
■あいさつするとき、何度もおじぎする
「何度も頭を下げるのは、一見、低姿勢に思えます。ただ、あまり心のこもっていないおじぎをくり返すと、ちょっといんぎん無礼な感じや、『早くことを終わらせたい』『頭だけ下げておけばいいや』という考えだと思われがち。二面性や何か裏があるのでは、と思う人もいるので気をつけましょう」
その仕草、相手を不快にさせているかも……。身におぼえがあったら要注意!