数千種類もの生命保険の商品が存在しているといわれている“保険大国”日本。お金の専門家たちも加入しているが、彼らは、筋道だった理由があって選んでいた――。
「わたしが加入しているのは定期保険の、おもに収入保障保険。保険に加入するときは、まず“どこから申し込むか”という問題がありますが、複数の保険商品を中立的な立場で扱う乗合代理店を利用することをおすすめします。大手保険会社で直接選ぶのは、あまりおすすめできません。国内・外資に限らず、ワンパック型の商品も多く、自分に必要な保障を選択しづらいデメリットがあるからです」
そう話すのは、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。無数にある保険、パンフレットから選ぼうにもよくわからず、セールスの人にすすめられるがままに入ると、余計なものまで契約してしまいそう。
そこで、数々のベストセラーを出している“お金の専門家”の、横山さん、風呂内亜矢さん、森永卓郎さんに、どんな保険に入っているのか、なぜその保険を選んだのか教えてもらった。
前述のように横山さんは有料の代理店を使うことをすすめるというが、風呂内さんは「ネットもひとつの手」だと話す。
「自分で決めて必要十分なものを選べるなら、担当者に会う手間が省けますからね。商品が決まっていなければ情報を多く持つ代理店に行きますが、大手保険会社には、お目当ての商品がある場合のみ行くようにしています」
昨年、子どもの自立を機に、「生命保険はすっかり解約してしまった」と話すのは、森永さんだ。
「もったいなかったのは、特約をつけてしまっていたこと。死亡保障が主契約の生命保険に入院特約を付けていましたが、結局使うことはありませんでしたからね」
前出の横山さんも、「とくに“通院特約”はムダ」と話す。
「数日の通院費、日額数千円を保障してもらうために、毎月保険料を支払うのは得策とはいえません。その申請のために診断書を発行してもらったりと、余計な費用と手間もかかります。『女性疾病特約』についても、女性特有の疾病だからといって、超高額の医療費がかかるわけではない。“なんとなく不安だから”と入るのは損です」
もし特約をつけるなら、横山さん、風呂内さんは「先進医療特約」をすすめるという。
保険の商品選びでいちばん悩むのは、「貯蓄型」か「掛け捨て」どちらを選ぶか。そして保障期間は一生続く「終身」か、限定された「定期」にするのかという問題。
風呂内さんは、自営業者で健康保険が手薄なため、医療保険は終身を選んだ。
「稼げる間に払ってしまって、収入が減る高齢期の医療に関する“保障”は確保しようという考えです。死亡保障は、夫婦共働きで、お互い同じほどの収入がある我が家には不要。貯蓄は預貯金や株式、投資信託などで形成し、保険はあくまで保障を求めるだけでよいと考えています」
プロの体験談をもとに、保険選びの参考にしてみよう。