「筋肉は適度に、そして均等に使っていないと、年々かたく縮こまっていきます。すると、骨までがそれに引っ張られ、骨格にゆがみが生じるんですね。また、筋肉が硬直すると血液やリンパを押し流すポンプ機能も衰えるので、たまった老廃物によってむくんだり、皮膚がたるんだり――いわゆる“劣化”となって表れるのです」
そう語るのは国内のみならず、海外のスーパーモデル、あのケイト・モスさえもトリコにしたゴッドハンドの持ち主、アンチエイジングデザイナーで「Amazing beauty」代表の村木宏衣さん。
「写真に写る自分の顔から目をそむけていませんか? “思っていた自分”と違ってがっかりしてしまうのは、体と同様、筋肉が縮こまることで、骨格が下に引っ張られ、ゆがみが生じてきているから。人は本能的に左右対称の顔に好感をもつものです」(村木さん・以下同)
また、“老け見え”のポイントとなるのは、顔の中心部のたるみだという。おでこ→まぶた→鼻下と順に垂れてくることで、表情がだらんと間延びして見えるのだ。そこで、村木さんがマイナス5歳は余裕で若見えの「顔のたるみ決別マッサージ」を伝授!
■頬下あぐあぐ
食いしばりによってコリかたまりやすい「咀嚼筋(そしゃくきん:頬骨の下にあり、かむときに使う筋肉)」をほぐし、顔全体を引き上げる“筋肉力”をつけるのが目的。
1)頬骨から1.5センチくらい下に両手の親指を押し当てる。残りの指は耳の上を押さえるようにして固定し、咀嚼筋をしっかりととらえる。
2)咀嚼筋の下にある骨を意識しながら左右それぞれ親指で圧を加え、「あぐあぐ」と口を開閉する(声は出さなくてもOK)。「あぐあぐ」を1セットとし、6セット繰り返す。
■鼻横えおえお
「ゴルゴライン」と呼ばれる、目頭から頬にかけて斜めに入る線や、ほうれい線を薄く短くするためのマッサージ。小鼻のわきを起点にし、左右とも4点×4ラインの全16ポイントを、下から上、内から外に向かって順に刺激を加えていく。
1)人さし指と中指で小鼻の横の筋肉に圧をかけた状態で、「えおえお」と口を大きく動かす(声は出さなくてもOK)。
2)指先で骨の存在や筋肉の収縮を感じながら、全16ポイントの刺激+「えおえお」を10セット行う。
「ほうれい線もじつはシワではなく、たるみの一種。その原因の多くは、睡眠中の“食いしばり”にあります。まるでビーフジャーキーのようにかたくこわばっている筋肉をほぐしてあげると、まずはゆがみが解消されます。そして、“若見え”に必要なのは、赤ちゃんのように丸みのあるおでこや、ハリツヤのある頬。状態のいい筋肉というのはプリッと弾力があるものなので、肌にハリツヤがよみがえるばかりか、自然にリフトアップしていきますよ」