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《座ってテレビを見る時間の長い人はそうでない人に比べて、大腸がんのリスクが70%高い――》

 

そんな衝撃の研究結果が今年、英国の医学誌『Journal of the National Cancer Institute(JNCI)』で発表された。この研究は、25~42歳の女性8万9,000人を対象に約14年間追跡が行われた調査で、座ってテレビを見る時間が1週間あたり7~14時間の人は、7時間以下の人と比べ、大腸がんを発症するリスクが12%、14時間以上の人は7時間以下の人と比べて69%も上昇していたというもの。

 

「問題は、テレビを見るために座った状態が続くことになり、近年、座っている時間の長さとさまざまな病気の発症に関連性があるという研究報告は世界的に増加傾向にあります」

 

そう解説してくれたのは、早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授だ。

 

「これまでに《テレビの前で1時間座るだけで余命が22分縮む》という報告や、《1日11時間以上座っている人は、4時間未満の人よりも死亡リスクが40%高まる》、というデータもあります」(岡教授・以下同)

 

1日当たり、ゆうに2時間はテレビを見ているという人も多いけれど……。座っている時間と大腸がんのリスクの関連性について、岡教授に聞いた。

 

「下半身には太ももやふくらはぎなど、全身の筋肉の約70%が集まっています。筋肉には、血中の糖代謝、脂肪の分解などをする役割がありますが、それは筋肉が活動的なときに活発に働くもの。座ったままの状態ではこうした機能がほとんど働きません。また、椅子に座ると、腰と膝がL字に曲がります。この姿勢では太ももの裏側が圧迫され、その先のふくらはぎのポンプ機能が十分に働きません。下に下がった血流を上に戻す力が弱くなり、全身の血流が悪くなってしまいます。動かないことで大腸の働きも鈍化するため、これらの状態が長期化するほど、大腸がんをはじめとするさまざまながんにつながっていると考えられます」

 

長時間の座位姿勢と大腸がんなどの病気との関連性を示す報告は数多くされているが、そのメカニズムまではまだ十分に解明されていないという。

 

「座りすぎは、大腸がんのほか、腰痛や首・肩の凝り、肥満、高血圧、糖尿病、メタボリック症候群、脳梗塞など、さまざまな病気を招く危険性があります。先行研究の結果からも、1日の座位時間が8~9時間あたりから、病気になるリスクがグッと上がるという印象があります。日ごろから、座りすぎには十分に気をつけるべきです」

 

リビングのソファに座って、テレビをつけながらこの記事を読んでいたという人は、さっそく立ち上がって体を動かそう!

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