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専門用語をそれっぽ〜く使われて、「○○すればキレイになります」と言われると、どうしても革新的な“美容知識”に聞こえてしまう……。だがそこに危険な落とし穴がーー。

 

「『デトックス効果がある』『毒素を抜くことでアンチエイジングになる』……。いま、医師や美容業界の中には、お金もうけのために、それっぽい専門用語を使って“トンデモなウソ”を拡散する人たちがいます。そして彼らは、主婦層を狙う場合が多いのです」

 

そう語るのは五本木クリニック院長の桑満おさむ先生。ちまたでささやかれる“医療のウワサ”を集め、論文をもとに真偽を確かめる“ニセ医学バスター”としてブログに記事を投稿している。

 

今回、桑満先生は、女性がだまされやすい、ニセ医学に基づいた「美容のウソ」を教えてくれた。

 

■「血液クレンジング」にデトックス効果はない

 

「血液クレンジング」とは、市川海老蔵(41)や高橋みなみ(28)ら芸能人が「アンチエイジング効果や疲労回復が期待できる」という触れ込みで絶賛していたことで話題を呼んだ施術だ。

 

「静脈の血液を体外に出して、オゾンや酸素を注入してから体に戻すという点滴。目に見えて血の色が黒から赤に変わるので、体の中がキレイになると思い込むのでしょう。しかし、ごく限られた病気の治療で効果があったという海外の論文があるだけで、健康な人にとってプラスになるというエビデンスはどこにもないのです。そもそも静脈の血は、循環のなかで酸素が取り除かれるから黒いのであって、肺を通って酸素を取り込めば赤くなる。人工的に酸素を与えなくても、“クレンジング”はふだんから肺で行われていることなんですよ」

 

■「酵素ドリンク」にアンチエイジング効果はない

 

非加熱の野菜やフルーツなどを発酵させ取り入れる健康法は、「ダイエットや若返りに効果がある」と世界的ブームになったが……。

 

「『人の体には酵素があり、それが減ると病気や老化が進む。だから食べ物から酵素を取り入れる』という考えに基づいた健康法。じつはこれ、ツッコミどころ満載なんです(苦笑)。まず、人の体の中にある酵素は、増えもしなければ減りもしません。そして酵素は栄養素などではなく、あくまでAという物質がBという物質にかわるのを手伝うもの(触媒)。人間の体の細胞内でのみ作られるものなので、酵素を体外から取り入れよう、という考え方自体がトンデモなんです」

 

■「足裏樹液シート」では、毒素は体から出てこない

 

足裏に貼って一晩寝ると、毒素が排出されて体調が整う、という健康グッズ。起きたときにはシートが黒ずむので、「効果も目に見えてわかる!」と本誌記者も多用していたが……。

 

「体内にある毒素は、解毒作用を持つ肝臓で分解され、便や尿として排出されるものです。足から毒素が出る、というのはどの論文を見ても書いてありません。あれは足裏から出た汗に混ざった塩分が、シートに含まれる鉄分と化学反応を起こし、シートが真っ黒くなるメカニズムですね。貼って寝たら気持ちいい、くらいの心持ちで使用するべきです」

 

まったく根拠のない“ニセ医学”でもだまされがちな主婦は多い、と桑満先生。

 

「家族のためなら、キレイになれるなら……そういう思いに専門家はつけこんでくるのです。ホットヨガや、起業ママが開くセミナーなど、いわゆる“美意識の高い人が集まる場所”も、そういった情報が行き交っていることがありますから、まずは得た情報を疑ってかかることが大事です」

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