「私は自律神経と腸の専門家として、スクワットやストレッチなどさまざまな健康法を紹介してきました。しかし、それほど難しくない運動でも長続きせず、効果が上がらない人がいました。今回紹介する『グーパー体操』は私が探し求めてきた、シンプルで効果的な運動です」
そう語るのは順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。「医者が考案した『長生きみそ汁』」(アスコム)など、さまざまなベストセラーを連発する、自律神経の名医だ。
手をギュッと握って「グー」、パッと指を思い切り開いて「パー」。いつでもどこでも、寝ながらでもできるこの運動を1分間繰り返すだけで、効果が出てくる。
「グーパーを繰り返した後、手のひらを見てください。手は赤みを増して温かさが感じられるはずです。これは手の毛細血管に質のいい血液が流れ込んでいるからです。グーパーのポンプ機能によって、加齢で消滅した毛細血管が再生し、血流が改善。全身の血管にしなやかさを取り戻せます」
血管が若返り、動脈硬化や高血圧の予防になるという。
グーパー体操には、ほかにもこんな効果が。
「脳を活性化し、認知症を予防する効果があります。脳は全身の酸素の約2割を消費。グーパーで血流が改善すると、新鮮な酸素が全身に行き届き、脳内の老廃物の処理がスムーズになります。アルツハイマー型の認知症は、アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積することで発症すると考えられていますが、そのような老廃物が排出しやすくなります」
血流改善効果で腸のぜん動運動が促進し、腸内環境が整う。免疫細胞を活性化し、免疫力を高めることができる。さらに毛細血管が拡張することで末端の手足の冷えも解消される。
「リズムを一定にしたグーパー体操で副交感神経が優位になると“幸せホルモン”のセロトニンが活性化。心と体に安息をもたらします。寝る前のグーパー体操は不眠を解消し、質のよい睡眠を可能にします」
さまざまな健康効果があるグーパー体操。
小林先生の新刊『死ぬまでボケない 小林式グーパー体操』(光文社)では、より血流効果を高める“足のグーパー”や、グーパーと合わせて簡単にできるエクササイズなど、さまざまな健康効果を高めるメソッドを紹介している。
小林先生はこう語る。
「ストレス社会のなかで、私たちは、つい手のひらを握りっぱなしにしています。案外、手のひらをきちんと開くことをしていません。ギュッと握ってパッと開く。私たちが忘れていたこの動きは、血管を若返らせ脳を活性化します。長寿社会を健康に生き抜くために、幅広い年齢層の方にこのグーパー体操を習慣化してほしいと考えています」
たちまち増刷! 好評発売中
『寝たきりでもできる! 死ぬまでボケない 小林式グーパー体操』
著者:小林弘幸(順天堂大学医学部教授)
価格:1,200円(+税)
出版:光文社
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