コロナ禍での収入ダウンにより、「働きに出たほうがいいかも」と思う主婦が増えているという。しかし、「やみくもに就活するよりも、家事や子育てなど、主婦ならではの“マルチタスク”的なスキルを生かして、職に結びつけたほうが、長く働くことができます」というのは、シニアライフアドバイザーの松本すみ子さん。
求人票からは探せない“ニッチな市場”に、主婦向けの仕事があるという。
現在のコロナショックのような経済状況の変化があると、派遣、パートなどの非正規雇用は真っ先にリストラされがちです。ところが、潜在的なニーズがある“ニッチな市場”は、景気の変動を受けにくく、シニア女性が活躍できる仕事がいくつかあります。長い人生、生涯現役で働き続けるためにも、適職に出合うことが大事。職探しの前に、自分のこれまでやってきたことを振り返り、スキルの棚卸しをしながら得意なことを見つけましょう」(松本さん・以下同)
仕事を始める前に、頭のなかでごちゃごちゃしていた考えをまとめ、やりたい方向性を見いだすために、今の自分にできること、将来に向けてやりたいことを明確にしておこう。
「目標を決めないで就活しても、疲れてストレスを生むだけです。『何が得意でどんな仕事をしたいのか』『1日何時間働きたいのか』『1カ月にどれだけ稼ぎたいのか』。その3つを軸に、働く条件をはっきりさせましょう」
また、このコロナ禍で在宅勤務が増えるなど、労働環境はかなり変わってきた。企業や人に雇われるだけが仕事ではないので、この際、「勤めに出る」という発想に固執しないほうがいいという。
「専業主婦の期間が長いからといって、あきらめてはいけません。ベテラン主婦の掃除や料理のスキルを生かした家事代行や、趣味のアクセサリー作りで収入を得ているケースもあります。『自分には無理』だとか、『ハードルが高すぎる』と始める前からあきらめないこと。柔軟な視点で自分を客観視するようにしましょう」
まずは次の項目を確認しながら、ノートに書き出すことからスタート!
■地元に情報交換できる友人はいるか
「自転車で通ったら求人の張り紙があったわよ」「あの会社は人を探しているんですって」など、ご近所の仕事の情報は、地元の友人からの口コミがいちばん早く、確実に入手できる。
「価値観の似た人たち同士で宅配弁当の会社やキッチンカーの運営を始め、買い物に不便な地域で成功したという人もいます。口コミ情報はニーズを掘り起こすためにおおいに役立ちます」
■社会の動きに関心はあるか
「今のコロナ禍で、働く人たちをとりまく環境がどのように変化しているのか。職探しのためにも最新のニュースは欠かさずチェックするようにしましょう」
起業をしたいと思ったら、まずはニーズの有無がカギとなる。そのためにも、インターネットなどでも検索くらいはマスターしておく必要がある。
■スマートフォンやパソコンは使えるか
「たとえば、個人の家庭で料理や掃除を行う『家事代行サービス』は、スマホやインターネットから登録して、依頼を受けたら1時間単位で働けます。そのときに、『スマホやパソコンは使えないから私は無理』だと思っていると、せっかくのスキルが生かされません」
自分で作ったアクセサリーやお菓子を販売したいというときも、宣伝に役立つSNSを使いこなせたほうがメリットは大。ITのスキルを身につけるためにはママ友や子どもに教えてもらうのも手だ。
「女性自身」2020年12月22日号 掲載