「いままで、いろいろな節約法をやってみたが、長続きしなかった、がまんするのに疲れてしまったという人は多いのではないでしょうか。それは自分の家庭に合った効果的な節約法に出合っていなかったせいかもしれません」
こう話すのは、節約アドバイザーの和田由貴さん。つまり節約を効果的に達成するには、まず自分の家庭の生活スタイルの特徴をきっちり把握。それに合った節約法を見つけることが大切なのだ。
和田さんは、10年前に著書『月3万円貯まる ムダなし生活術』(永岡書店)のなかで、なかなか節約に成功しない家族を、生活スタイル別に3タイプの家族に分類して紹介した。
「ただそれから月日がたち、しかも現在の新型コロナの感染状況も踏まえると、3つの家族タイプの節約法にも、新たな見直しが必要になってきました」
■家族の“浪費グセ”を知って効果的に節約
そこで、和田さんが、最新版の3タイプ家族別「月3万円を達成できる節約プラン」を公開。まず簡単に3つの家族のタイプを紹介すると、以下のようになる。
【無頓着家族】
金銭感覚にとぼしく、夫のスマホはつねに最新機種。妻はメルカリのチェックに余念なし。新しいモノ、便利なもの大好き家族。深夜までおのおのの部屋で自分の時間を楽しむことが多く、お風呂の時間もバラバラ。
【だだもれ家族】
節約しようという意識は高いものの、セール品を買いすぎて余らせて捨ててしまうなど、安物買いの銭失いが多い。無理して消費を減らすと、リバウンドでムダ買いに走ることもしばしば。努力が実を結んでいない。
【遊び好き家族】
休みには決まって家族でおでかけ。コロナが流行する以前はしばしば家族で海外旅行。いまはアウトドアで気分を晴らしている。がまんせずに、上手に節約する方法はないか思案する日々。
■3タイプに共通する節約“4つのSTEP”
今回は、この3つの家族タイプそれぞれの節約術を、次の4つの段階を踏んで提案。
【1】いちばん家計でコストがかかっているところを見直す
「いま一般の家計でいちばん大きく削れるポイントは保険料。若いころ加入した生命保険がいまの自分に合ったものになっているか。医療特約が付いているのに、別の医療保険にも加入して、ムダになっているケースも見かけます」(和田さん・以下同)
また自動車保険はネット保険にすると、大きく掛金が下げられることが多いという。
【2】食費の見直しは「無理せず、気負わず、買わされず」が大事
「毎日のことなので、ついがんばって1円でも安くと思いがちですが、がんばったわりに成果が出ない“安物買いの銭失い”パターンも多いんです」
まずはいま冷蔵庫にあるものを使い切ることからやってみれば、食品ロスもなくなり、一石二鳥だ。
【3】公共料金や通信費はお得なプランが見つかったら、面倒がらずに変更する
「近年、電気とガスが自由化になり、さまざまな企業が参入。価格競争の結果、お得なプランがあるのに、活用していない家庭が目立ちます」
スマホ料金も、3大キャリアが始めたネット専用契約や、もっと安いMVNO契約も選択肢のひとつ。面倒がらずにネットの価格比較サイトなどを小まめにチェックして、契約を見直すことで、大きな節約につながることも。
【4】だだもれを防ぐために「それ以上使えない」ものにシフト
「節水シャワーヘッドなどの新製品に替えることで、もともと使える量をカットしてしまえば、協力してくれない家族がいても強制的に節約が可能に」