眼瞼下垂の手術を受けたと公表した3人 画像を見る

年を重ねるとともに気になるまぶたのたるみ……。じつは、まぶたが下がって開きづらくなると頭痛や肩こり、うつなど全身の不調につながるというのです。今すぐできる対処法を医師に教えてもらいました。

 

「21日、堀ちえみさん(55)が、加齢による眼瞼下垂(がんけんかすい)という病気で手術を受けたことを明かしました。眼瞼下垂に悩む人は多く、以前にも和田アキ子さん(72)や宮根誠司さん(59)なども手術を受けています」(芸能担当記者)

 

腱膜性眼瞼下垂(以下・眼瞼下垂)とは、加齢や刺激によってまぶた(眼瞼)の“アキレス腱”が断裂して、まぶたが下がって(下垂)しまう病気のこと。重度となれば、まぶたが大きく黒目にかぶり視野が狭くなることで、事故などにつながるケースもあるという。

 

さらに、この眼瞼下垂、頭痛や肩こり、自律神経失調症やうつなども引き起こすのだという。まぶたのたるみがなぜ、そのような全身の不調にかかわってくるのだろうか? 『名医が教える「まぶたテープ」』(扶桑社)の著書がある、松尾形成外科・眼瞼クリニック院長の松尾清さんが、そのメカニズムを解説する。

 

「本来、上眼瞼挙筋が収縮することで、腱膜がまぶたのふちにある瞼板を引き上げ、目が開きます。ところが、長年のまばたきによる負担の蓄積や、まぶたをこする刺激で、腱膜が瞼板から断裂してしまうことがあるのです。

 

“目のアキレス腱”が断裂しても、目を開けることはできますが、開ける際に、上眼瞼挙筋やミュラー筋に大きな負担がかかり全身の不調を引き起こします。ミュラー筋が伸び切ってしまうと、見た目でもまぶたが下がりきってしまい、手術が必要になるのです」

 

たかが「まぶた」とあなどることはできない。

 

「軽度であっても、上眼瞼挙筋に力を入れると、群発頭痛や眼精疲労につながります。目を開くために、無意識のうちに前頭筋、後頭筋などに力を入れてしまうこともありますが、それは額のシワや頭痛の原因に。眉毛を無理に上げようとすると肩やうなじにも負担がかかるので、肩や首のこりにもつながります。また、まぶたを上げるために歯に力を入れている人も多く、顎関節症を発症するケースもあるのです」

 

さらに注目すべきは、まぶたの筋力の弱まりによって負担が増すミュラー筋には、交感神経を刺激するセンサーの役割があるということ。

 

「ミュラー筋を刺激することで、交感神経が優位に働き、冷えや動悸、イライラ、焦燥感、不安などの症状が現れます。また、これらの症状を抑制するために脳でセロトニンというホルモンが分泌されますが、使いすぎて足りなくなるとうつ状態になってしまうのです」

 

松尾さんによると、眼瞼下垂はまぶたをこすることがリスクになるという。そのため、コンタクトレンズを使用している人、強く目をかいてしまう花粉症の人、逆さまつげがあったり涙もろく、目をいじってしまう人は要注意だ。

 

「アイメークをゴシゴシと洗い流す人も多いので、女性のほうがなりやすい病気といえます。実際に、当院で手術を受けるケースは、女性は男性の5倍。まずは、目をこすらないことが大切です」

 

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