冷凍食品でも、テイクアウトでも、ちょっとがんばって手作りでも、長きにわたっておなじみの中華ジャンルお総菜・焼売。最近、東京では「焼売がウリ」な、今どき感と懐かし感が同居したネオ居酒屋的なお店がけっこう流行ったりもしてますね。
昭和世代としては、好むと好まざるはともかく「焼売とセット」で浮かんでくるのがグリーンピースの存在じゃないですか? そもそも何でグリーンピースなんでしょう?
■当初のブレーク時には”グリーンピースなし”だった
どうやら明治時代には、すでに神奈川・横浜の伊勢佐木町に焼売を販売して人気の中華料理店があったようです。そしてどうやら、当時の中国から来た元祖シュウマイには、なんとグリーンピースは乗せられてなかったそうですよ。
そして、時は流れて時代は昭和。昭和29年(1954年)に学校給食法の施行で日本全国で給食が始まりました。第二次大戦終戦からまだ10年あまりの貧しい日本、当時の給食は、今とは異なり、脱脂粉乳や簡単なシチューなどメニューのバリエーションも少なく、あまり美味しいものではなかったのです。
■ショートケーキが”昭和な焼売”の大ヒントに!
そこで給食メニューの開発者のみなさんが、なんとか子供たちに喜んで給食を食べて欲しいと考えて思い至ったのが、そのころはまだ目新らしくて(!)、当時子どもたちに大人気だったショートケーキ。給食のメニューに焼売が採用される際に、ショートケーキに乗っているいちごに見立てて、焼売にグリーンピースを飾ったそう。これは当時、給食などの団体用の冷凍食品開発を手がけていた、現在のニチレイが始めたと言われています。大量に必要な給食用なので「作る際に、数を把握しやすいように目印代わりに乗せた」「グリーンピースの緑色が中国で縁起のいい翡翠の色だから」という話も、なるほどうなずけるところ。
なんにしろ、昭和のたくさんの子供たちのことを思っての新鮮(?)な発想だったんですね。昭和世代の方はご存知のように、その後グリーンピースは焼売だけでなく、ご飯に混ぜて「グリンピースご飯」となったり、肉じゃがやシチュー、スープなどに入れられて、給食やおうちのごはんを彩る食材になっていきました。
今では、冷凍食品やお店や市販の焼売では、グリンピースはほとんど乗っていないようですが、あの崎陽軒の「シウマイ弁当」は、グリンピースは上に乗っているのではなく、餡自体にグリンピースが混ぜられているそうです。
目にする機会は減っても、やっぱり焼売の上にグリーンピースが乗ってる姿が脳裏に浮かぶのは、昭和世代ならでは……? 今日のごはん、焼売にしましょうか。