日本人の2人に1人が発症する「国民病」ともいわれる花粉症。
「コロナ禍でマスクをしている方が圧倒的に多い状況にもかかわらず、今年も例年並みに花粉症での来院や相談が増え始めました」
こう話すのは、土日も診療する「まめクリニック」グループ創業者で内科医の石川雅俊先生だ。
ひどい鼻づまりや鼻水など“花粉症あるある”への対処のため、薬を求める人も多い。ところが、「確かにくしゃみは止まるけど、眠くなっちゃって……」と、眠気に襲われた経験のある人も多いのではないだろうか。
■眠気は花粉症薬の副反応。どんな注意が必要?
この花粉症の薬のメカニズムを、石川先生が解説する。
「花粉が体に入ると、細胞内の抗体にくっつき、ヒスタミンというアレルギー誘発物質が放出され、さまざまなアレルギー反応を起こします。くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの諸症状を発症する。これが、花粉症です。このヒスタミンをブロックする抗ヒスタミン剤を配合している薬が花粉症の主な内服薬。さまざまな成分のものがあり、鼻の粘膜で作用すれば症状を改善する働きがあります。ですが、抗ヒスタミン剤が脳内で作用すると、なかには眠気を呼び、集中力、判断力、作業能率を低下させるなど、副反応が強く出るものもあります」
多くの製品には、眠気に関する注意喚起が添付文書に記載されている。そして、注意すべき筆頭に選ばれているのが自動車の運転だ。
早見表で、運転操作に関する注意表記から、各薬の「眠気を催す度合い」を確認してほしい。
「医療機関で処方される薬には、特に注意の記載がなく『自動車の運転に支障がない』とされる薬から、眠くなりやすく『運転には従事させない』と記載のある薬まで、さまざまあります」
また、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬についても。
「市販薬では、アレグラとクラリチン以外は眠気を促す可能性が高く、添付文書に『乗物または機械類の運転操作をしないでください』と注意が書かれているものが多いのです。これらを服用した場合は、車は運転しないでください」
運転はもちろんのこと、集中を要する作業は多い。生活に照らし合わせて薬を選ぶ習慣をつけよう。