「困っていることはないですか。地震に負けずに頑張ってください」
紀子さまは腰をかがめ、男子児童の顔を覗き込むように、そんな言葉をかけられた。2月2日、紀子さまは「第69回青少年読書感想文全国コンクール」の表彰式に出席された。
「コンクールの受賞者のうち、石川県珠洲市で被災した小学5年生の男子児童・藤野結大くんは、アフガニスタンで人道支援に携わった医師の中村哲さんに関する本の感想に、自分の被災体験をまじえた文章を書いたのです。その感想文に紀子さまはことのほか感動されたようです」(皇室担当記者)
紀子さまの思いやりを込めたご交流だったが――。
「残念なことにこの報道に対してウェブに広がったのは、称賛の声ばかりではありませんでした。“本当に心配するなら海外逃亡の長女の警備費 わがまま言い放題のアイドル気取りの次女のお家建築費でも寄付したら?”といった心ない声や、悠仁さまの作文の剽窃騒動をあてこする声まであったのです。
いまも一部の国民は、秋篠宮ご一家への反感を示していますが、その一因は秋篠宮家に仕える皇嗣職の対応にあったといわざるをえません」(前出・皇室担当記者)
2017年12月に小室家の金銭トラブルが発覚して以降、秋篠宮家を数々のトラブルが襲った。
「眞子さんの結婚にともなう騒動、悠仁さまの筑波大学附属高等学校ご入学の経緯への疑問、秋篠宮邸の高額な改修費用への批判、佳子さまが一人暮らしされていることを発表するタイミングが明らかに遅かったこと……。
秋篠宮家の広報全般を担っていたのは、宮務主管や皇嗣職大夫を歴任し、秋篠宮ご夫妻に8年来仕えてきた加地隆治氏でした。しかし情報発信が後手後手だったうえに、記者会見などで質問されても説明が十分ではなく、記者や国民たちを納得させられるものではありませんでした。
もちろん皇嗣職大夫の発言は、秋篠宮さまと紀子さまのご意向に沿ったものでなくてはならず、加地氏だけに責任を問うことはできません。しかし適切なタイミングでの発信や詳細な説明があれば、ここまで秋篠宮家への批判はヒートアップしなかったのではないかとも思います」(前出・皇室担当記者)
4月から悠仁さまは高校3年生になり、大学進学に備えられる。この重要な時期に秋篠宮ご夫妻が苦境の打開を期待されているのが、2月1日付で皇嗣職大夫に就任した元警視総監の吉田尚正氏だ。宮内庁や警察庁に詳しい産経新聞記者の大島真生さんはこう語る。
「吉田氏は刑事と警備部門の両方で実績を積み上げて警視総監になりました。宮崎県警察本部長時代には、2006年に発覚した『宮崎県官製談合事件』の捜査を指揮し、知事を辞職に追い込み、その後逮捕しました。まだ63歳と若く、皇嗣職大夫を長く務めることになると思います」
また警察庁関係者によれば、
「東京大学時代にはクイズの全国大会で優勝したほどで、警察庁内でも“記憶の達人”と呼ばれていました。人情家として部下にも慕われていましたが、剛腕ぶりも警察庁内では有名です。
福岡県警察本部長時代には工藤會壊滅作戦も指揮しています。“武闘派”として恐れられた工藤會は、民間人であっても容赦なく襲撃する暴力団組織でした。最高幹部らを次々と立件して工藤會を崩壊に追い込むため、警察も相当なプレッシャーを受けながら捜査にあたったのです」