今シーズンオフのFAをめぐって、巨人・阿部慎之助監督(45)が阪神・大山悠輔内野手(29)の獲得交渉現場に出馬すると明言した。
阿部監督は11月22日に北海道・札幌にある自身の“太タニマチ”の飲食店で開催されたトークライブに参加して大山に対して「世紀の先駆者になって欲しい」とわざわざラブコールを送った。
「同時に自ら獲得交渉現場に出馬する意向であると明言しています。監督がわざわざ出馬するということは、移籍交渉8合目まできているということ。阪神から巨人にFA移籍すれば史上初のことですから、大山選手も相当の覚悟が必要です。それゆえ、最後の“ひと押し”が不可欠。阿部監督は獲得の目処が立っているということでしょう」(球団OB)
FAでクローズアップされるのは契約年数、年俸、付帯条件など金銭絡みばかり。そこでFAで大型契約を結びプレーした某セ・リーグ球団元野手に、“監督自らが交渉に乗り出す”意味について聞いてみた。
「自分の時は、下交渉がとんとん拍子に進んでいたけど、やっぱり他の球団に自分の意志で行くのは勇気がいる。その時に背中を押す意味で移籍先の監督がわざわざ足を運んでくださり、チーム環境のことや起用法について直接、丁寧に説明してくれたのはありがたかった。人を介して“噂”“伝聞”で移籍先のチーム状況を聞くのとは訳が違いますからね」
一方で、監督が出馬すると選手にとっては相当なプレッシャーも感じるという。前出の元野手は続ける。
「監督が出てこられたら『もう後戻りはできない』と覚悟を持ったのも事実。大山選手も阿部監督が出てくるときには『断れない』と強く思うのではないか。それだけ相思相愛で話が進んでいるということ。
ただ、交渉タイミングで『いつまで監督をやるのか』だけはちゃんと聞いておいた方がいい。最大の“後ろ盾”がいなくなったら他所から来たFA選手は案外、肩身狭いですからね。球団への疑問点を解消して決断した方がいい。野球人生で最も“ワガママ”を突き通せる瞬間ですから。最大限要望をたくさん伝えた方がいい」
大山選手は11月25日、大阪市内のホテルで実施された球団主催の納会を欠席した。
「11月28日には選手会納会が行われますが、この行事はマスコミ全面取材NGのため、参加したかどうか現場で確認することはできません。大山選手の動向を注視しています」(スポーツ紙野球デスク)
果たして大山は史上初となる“伝説の移籍”を決断するのか――。