街中が賑わい、クリスマスムードが高まる季節。クリスマスといえば、家族で囲む豪華なデコレーションケーキを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、令和のクリスマスケーキには大きな変化が訪れていたーー。
「ここ数年、小さな個食タイプをご購入いただくお客様が増えています。その傾向は今年も変わらないとみており、弊社では今年もいろんな味のカットケーキアソートをはじめ、個食タイプのケーキを幅広くご用意しました」
こう答えるのは、全国に店舗展開をする、洋菓子専門店チェーン『銀座コージーコーナー』の広報担当・辻篤則さん。
銀座コージーコーナーのホームページでは、抹茶のシフォンやチョコレートケーキ、栗のショートケーキなど、さまざまな味のカットケーキが詰め合わせになったクリスマスのアソートケーキが紹介されている。他にも、一口サイズのケーキなど、個食タイプの種類が豊富だ。
クリスマスといえば、家族皆で1つのケーキを楽しむ「ホールケーキ」が定番だが…。
なぜホールケーキよりも個食タイプが売れているのだろうか。
「あくまで広報担当としての所感ですが、少子高齢化が進む中でライフスタイルが変化し、核家族化や共働き家庭の増加が背景にあるのではないでしょうか。その結果、大きなケーキを家族みんなで食べる機会が減っているのかもしれません。
また、近年の物価高騰も一因として考えられます。カットケーキはホールケーキに比べて手頃な価格で購入しやすく、そういった手軽さも選ばれる理由の一つかもしれません」(辻さん)
確かに4人家族の場合、ホールケーキを買うよりも、一つ当たり数百円から買えるカットケーキのほうがお財布に優しい。家族それぞれが好きな種類を選べるというメリットもある。ライフスタイルの変化もさることながら、物価高騰が原因で、大きなホールケーキを食卓の真ん中に置くというのが現実的ではなくなっているのかもしれない。